2014 アタック!299

Attack! 299 in 2014, by SHIBATA Akira.
作成 2014/08/08

はじめに

矢久沢林道のとってもツラいところで引きつった笑顔を作っている当方  Copyright (c) 2014 阿部君のお父さん

当方が出入りしている自転車屋さんが主催するイベントである 10 回目の「アタック!299」に出た。  当方にとっての一回目 2011 年二回目 2012 年去年の三回目 2013 年に続いて今年は四回目だ。  コースは飯能市役所からスタートして、踏切を越えて、サイクルハウスミカミ前経由の飯能中央公民館前の約 1.5km の市街地の県道 70 号を走り、県道 53 号で山伏峠を越えて、国道 299 号に乗って志賀坂峠、十石峠、麦草峠へと至る、全 157km とのことだ。  上り坂で得られる標高の累計は 3,900m に迫ろうかという峠三昧な自転車イベントだ。 

当方は貧脚なので、上り坂には弱い。  その上、今年は二回目の骨髄移植ドナーをしたが、 5 月末に 400km ブルべを走破して、 6 月末 600km ブルべと 7 月頭 600km ブルべは二週連続での 600q をなんとか走りきれたので、ひどく体力が落ちたということでもないハズだ。 

本番前夜まで

当方のアタック! 299 は 3 月から始まった。  構想としては、今回の 2014 年はだいたい 63kg のままで減量を特にせず、低回転でだせるパワーを上げて、心拍を上げずに完走を目指すという方向を考えた。 

トレーニング

基本は昨年のトレーニングを踏襲して、 KREITLER KILLER HEADWIND を三本ローラーに取り付けて漕いでいたものを 2014 年初頭に改造して、引き続き三本ローラーを漕ぐということを継続した。  前述したように、 400km ブルべ600km ブルべ600km ブルべをヘロヘロであっても、なんとか走りきれたのでアタック! 299 も完走はできそうだ。  「ブルべでは低回転を目指して走り、必要時に回転を上げてクルクルいく」という走り方は、おおむね身についたと考えている。  今年はこのブルべで試行した走り方を実施してみようと思う。 

机上の作戦

昨年のアタック! 299 では 8 時間 8 分だったので、あと 10 分くらい短縮して、 8 時間を切りたいと考えた。 

昨年収集したデータに拠ればトータルの仕事量(ペダルを漕ぐのにつかったエネルギー量)は約 4,200 kJだ。  8 時間ちょっとで 4,200kJ (キロジュール)だと、一時間当たり 525kJ となる。  525kJ → 145Wh ということだ。  昨年はこれくらいでたわけだ。  今年はちょっと上乗せして 150W 平均でいけば 8 分くらい短くなるんじゃないか?

また、走行で 4,200kJ の仕事量ということは、単純に体の中でもだいたい 4,200kcal くらい燃えるってことだ。  仮に半分を炭水化物、残りの半分を体脂肪でまかなうとしたときには、 2,000kcal 分くらいの炭水化物が必要だ。  昨年は「薄皮つぶあんぱん」一本( 5 個)をレーション(行動食)として持参したが、今年は二本( 10 個)持参しようと思う。  これで 1,000kcal が補給できる。  全部で 10 個で概ね 10km 毎に一個食べていけば約 100km 地点にある上野村公式エイドあたりで最後の一個を食べることになる。  ここをノンストップで駆け抜けて、十石峠を越えれば佐久穂 CP によってそこで最後の補給をしよう。 

二週連続で挑んだ二本目の「 BRM705 埼玉 600km アタック日本海」で、 300km 手前から 500km 手前あたりで吐き気に襲われた。  これはアセトン血性嘔吐症だろうと想像した。  むかーし、読んだマンガとかで、運動部が昼間厳しい練習をして、食事時などに吐いているシーンがあって、そんなもん現実にあるもんかと思っていた。  ところが、当方が高校生だったころ、課外で激しい運動をして夜吐いたことがあって、本当にそういうことがあるのだと知った。  思い返せば、アレもアセトン血性嘔吐症だったのではないかと思っている。  そして、時間が経って BRM705 埼玉 600km アタック日本海でミを吐きはしなかったが、呼吸すると吐く息がゲロくさくなるほどこみあげてきていたわけで、これはアセトン血性嘔吐症と分析した。  この原因はいろいろあるだろうが、レーションで補給している糖分をエネルギーとして使えていないという状態だと想像した。  そこで、今回はドーピングとして、ビタミン B 群のサプリメントを朝と走行途中で摂取してみよう。  なおビタミン B 群は水溶性で過剰摂取による害はほとんどなく、あっても大したことないらしいので、この日くらいは二日分を摂ってもいいだろう。  ま、アマチュアだからいわゆるプロで禁止されている薬品だって使い放題だけどね。  って、入手できないがなっ!

コース

アタック! 299 コース図

一昨年昨年に続いて今年も矢久沢林道というところを通る。  一昨年はこの矢久沢林道にヤられたね、完走のための全精神エネルギーの 90% 以上をそこで費やした気がした。  昨年はなんとか淡々と軽いギアをつかって抜けた。 今年も同じように過大な出力を押さえ、脚の消耗を減らして走れるはずだと考えたのだ。 

オフィシャルページによると、標高は「スタートの飯能市役所: 90m 、山伏峠: 600m 、志賀坂峠: 770m、十石峠: 1,350m ゴールの麦草峠: 2,127m 」というグランフォンドだそうだ。  ブルべは規定時間内に走りきれたという認定イベントだが、グランフォンドは遠乗りって感じかな? まるでツールドフランスのコースのようだ。  似たようなコースがあるかな〜?…ということで、去年調べてみたらあったのだよ。  2010 年のステージ 17 Pau → Col du Tourmalet のコースは長さといい、規模といい、標高の変化といいソックリだ。  で、アタック! 299 は山岳賞のカテゴリに照らしてみると、、山伏峠: 3 級、志賀坂峠: 2 級、十石峠(矢久沢林道): 1 級、麦草峠:超級という感じに分類してもよさそうだ。  一日だけツールドフランスの山岳コースを体験できると考えればなかなか楽しいかもしれないが、上り坂が苦手な当方にとってはツラい一日になりそうだ。  登れば当然下りがあるわけで、まっすぐな下りなら考えずに下れるが、頭の悪い当方は曲がりくねった下りも人並み程度にしか下れないのだった。  ま、日ごろの修行の成果を確認するための年に一度のイベントなので、できることをできるだけガンバるだけだ。 

アタック! 299 のコース標高図
Attack299 標高図

ツールドフランスのある日のコース標高図
ツールドフランス 標高図

本番前日

今回も輪行で飯能に行ってホテルに前泊した。  そのために、会社を午前中だけ出勤して、昼に早上がりした。  帰りの道から見上げる空は雲ひとつない青空だった。  明日も同じような天気だと暑いだろうなぁと、ちょっとコワかった。 

2014/08/02 半ドンでの会社帰りの抜けるような青空
帰宅途中

宿泊した場所は市役所から 200m のマロウドイン飯能というホテルだ。  Attack!299 に出るための宿泊場所としては最高のロケーションだ。  シングル素泊まりで税込み 5,600 円だった。  昨年よりも 300 円安いのは予約を早めに入れたせいかな?  あえて言うなら、「近すぎて市役所に行くのにウォーミングアップにもならない」ということくらいか。  いいロケーションであることが知られたのか、今年は当方の自転車を入れて 7 台もの自転車が置かれていた。 

2014/08/02 ラウンジに置かれた自転車
ラウンジに置かれた自転車の写真

アタック! 299 当日

本当は列車についていければ、「アタック!」とか言って仕掛けることも可能なのだけど、当方の場合は加速が悪いものだから、そうならずに、タイムアタック 299 になっていたりするのだったりする。  過去の履歴としては 2011 年は 8 時間 34 分だった2012 年は 10 時間 0 分 20 秒だった2013 年は 8 時間 8 分だった

今年の結果

今年の目標は 8 時間切りだ。  ソレに対し 7 時間 53 分 44 秒だった。  なんとか目標をクリアした。  昨年比でいけば 15 分短縮できた。 

ハッキリいって、ものすごくガンバった。  TSS (Training Stress Score) が 509 だった。  およそ四倍の道のりを四倍の時間をかけて走り抜けた 600km ブルべでおよそ 850 くらいだ。  この TSS は 1 時間を最高のパフォーマンスで走ったときの数値が 100 だ。  200 なら、その 1 時間を二本やったことに相当する。  すなわちおよそ 8 時間の間に一時間の最高のパフォーマンス 5 本分をやったことに相当する。  だから、全く同じペースなら 600km ブルベなら同じように四倍ってなことになるハズだが、850 ということで 1.7 倍だ。  ちなみに、去年は 539 だったから、去年のほうがガンバったことになるな。  あれ? 

7 時間 53 分のダイジェストとしては下のように心拍や出力が推移した。  写真付きの細かいところは、いつものようにだらだらと当方の感想をグラフの下に流してみよう。 

推移

スタート前

出入りしている自転車屋さんで申込をしたのだが、今年は初の試みとして出走時刻を 05:00 とした。  豪脚超特急だと予想した。  当方が列車にドコまでついていけるかわからないが、ついていってあわよくば余裕で 8 時間切りができるといいなとか思った。 

前泊にはマロウドイン飯能がオススメだ。  なんたって飯能市役所入り口まで 200m 程度、ゆったりと自転車で向かえるわけだ。  ラウンジには当方の自転車をいれて 7 台の自転車があったが、当方が出発するころには他の自転車はなくなっていた。 

2014/08/03-04:30 四時半スタート組
四時半スタート
2014/08/03-04:45 受付とスタッフ
受付の様子

ダラダラしていたら、出発直前になってブリーフィングが始まった。  今年も矢久沢林道行くらしい、うへぇ〜って感じ。 

2014/08/03-04:59 ギリギリになったブリーフィング
ブリーフィング

スタート〜山伏峠

スタートして、市街地は 3UP ジャージを着ている人が先導していた。  アの先導している人は店長だったのかなぁ。 

2014/08/03-05:03 市役所前出発直後
市役所出発直後

市役所の駐車場を出て、踏切を越え、突き当たったら右折してすぐがサイクルハウスミカミだ。 

2014/08/03-05:04 サイクルハウスミカミ前を通過するところ
サイクルハウスミカミ前を通過するところ

中央公民館までまっすぐ走り、突き当たればチョイ右に曲がりつつ県道 70 号を名栗方面に進む。  そこでチギれた。  いや、もうね 300W とか出しても追いつかないんだモン。  当方の場合 300W だと全力なら 5 分くらいはでるが、その後は燃え尽きちゃうからモたないんだな。  だから、列車についていくことはあきらめて、そこからは一人旅だ。  当方にはまだまだ 05:00 スタートは分不相応だった。  全 157km のうち列車に乗っていたのはたった 1.5km で、ついていけなかった。  ということで、残りの 156km を一人で走りきることがここで決定した。  列車は市街地だからゆっくり走っていただけだということがわかった。  気温は 22 ℃と条件はわりといい。  暑くなる前になるべく進んでおきたいと思った。  およそ 10km で一個あんぱんを食べる予定で 10 個持参していた。  そんなわけで、山伏峠の入り口に到達するまでに二個食べ終わっていた。 

2014/08/03-05:49 気温 22 ℃

当方にとってのタイムアタックだからして、ソレナリのペースで上る必要はあるけれども、だからといって全力で上ったら麦草峠まで持たないわけで、無理のないペースで上った。  途中の温度計表示は 23 ℃で悪くない気温だ。  山伏峠てっぺんの直前に応援がいてうれしかった。 

2014/08/03-06:16 山伏峠直前で応援

山伏峠はスタートから 1:17 後に、最後尾から数えて三番目で通過だ。  五時スタートなのに後ろに二人もいるってのもちょっとビックリだ。  いや、一人はサポートカーのリアゲートが開いた状態のときに抜いたから、パンクかメカトラブルかってところかなぁ。  リザルトをみると後ろにいたハズの五時発の一人は DNF だし、もう一人も DNF だった可能性が高く、実は最後尾だった可能性が非常に高い(笑) 

2014/08/03-06:17 山伏峠

2012 年(記録 10 時間)はスタート後 1:18 だったが、 2013 年(記録は 8 時間 8 分)はスタート後 1:12 だったので、今年は昨年比 9 分遅れで 10 時間ペースと同じ程度であんまり早いとはいえなかったかな。 

山伏峠〜志賀坂峠

スタートしてから 1.5km でチギれて、ずっと一人旅だから写真を撮る気もなく、山伏峠を降り、正丸トンネルそばの信号から、秩父方面へと下った。  最高速はこの下りで出たっぽいね。  自転車でもけっこうなスピードが出るものだ。  って、下りなのに漕いでもいたのだね。  小鹿野のちょっと手前で四人が止まっていて、ホイールを触っているひとがいたので、パンク修理と見た。 

2014/08/03-06:56 パンク修理中

小鹿野では先行していた豪脚超特急列車な人たちがコンビニ休憩していた。  遅い当方は、そんなところに寄る余裕もなく、 1mm でも自転車を進めておきたかったため、手を振って先行した。  そう、ここから当方は追う立場から追われる立場となったのだ。 

2014/08/03-07:49 ジェルをもらった

新秩父開閉所を過ぎると志賀坂峠のへの登坂開始だ。  新秩父開閉所脇通過時間はスタートから今年はスタートから二時間二十八分だった。  2013 年は二時間二十一分( 8 時間 8 分)、 2012 年は二時間三十五分( 10 時間)、2011 年は二時間三十六分( 8 時間 36 分)去年よりは七分遅い。  これは列車に乗らずに単独走だからではないかと思う。  ヘコヘコ漕いでいると、山伏峠直前で応援してくれていたサポートカーがいて、エナジージェルをくれた。  「いらぬ」と一度は断ったが、「冷えているからもって行け」といわれていただいた。  確かに冷たくておいしかった、 TKMT さんありがとう! 

2014/08/03-08:02 志賀坂峠手前 2km くらいトップ争いの三人のうちの二人

2014/08/03-08:02 トップ争いの三人

いつくるか、いつくるかと、待っていたわけじゃないけど、豪脚な方々が追いついてくるのをビビりながら志賀坂トンネルに向けて上っていたら、三人来たよ。  スゴいペースだ。  さすが 05:00 出発な人たちだ。 

2014/08/03-08:03 トップ争いの三人のちょっと後ろ

トップ争いの三人に遅れること一分、もう一人来た。  たぶんちょっと前まで一緒にいて争っていたではないかな。  まぁ、当方よりもちょっと早い感じで上っていた。  だから、けっこうガンバってついていこうと努力したのだ。  ここで、ちょっと上に戻ってグラフを見て欲しい。  特にパワーと心拍のところ。  そう、てっぺんに向かってパワーを上げ、その結果心拍もけっこう上がった。  ということで、ガンバるとてきめん心拍があがるのだった。 

2014/08/03-08:10 志賀坂トンネル到着

ということで四人に続いて、トンネルに到着した。  スタートからの経過時間は 2013 年は 03:08 後2012 年は 03:30 後2011 年は 03:23 後で、去年並みな 03:10 だった。  山伏峠での九分遅れが、二分遅れに縮小していた。 

志賀坂峠〜十石峠

さぁ、志賀坂峠を下り、今年は上野村の公式エイド、矢久沢林道を経て約 110km 地点付近にある十石峠に向かって走る区間だ。 

2014/08/03-08:51 上野村公式エイド
上野村ふれあい館の特設補給所

この頃になると気温は 27 ℃ほどになっていて、けっこう暑くなってきていた。  今年は公式エイドは寄らずに通過した。  理由は単純、少しでもロス時間を減らしたかったからだ。  そのために、ダブルボトルならぬ、トリプルボトル(背中にもう一本ボトルを挿した)にしたのだ。  実はクアドラプル(四本)ボトルにしようか迷った。  昨年ダブルボトルで上野村までもったのだから三本なら佐久穂 CP まで持つと見たのだった。  懸念事項は、昨年上野村ではカナリ水をがぶ飲みしたから、実は足りていないかもと思った。  もうひとつ、昨年まではほぼ上半身しか汗をかかなかったのだが、今はモモやふくらはぎなど脚も汗をかくようになってきているので、水の消費量が大きいかもと思った。  まぁ、それでも十石峠まで上がれればあとはしばらく下り基調なので、どうにかできるという読みもあった。 

2014/08/03-09:13 阿部君のお父さんに当ページのてっぺんの写真を撮影してもらった

さて、矢久沢林道に入ってキツいなー、キツいなー、シンドー、シンドーと思いながら漕いでいたら、カメラマンがいたわ。  えぇ、キッツいなぁと思ってこいでいるところを撮影されちゃいましたよ。 

2014/08/03-09:16 五時発の人

そして、当方は上野村の公式エイドを停まらずに通過して来たのに、停まって休憩しただろうハズの五時出発の人がもうきちゃったよ。  「ウサギと亀」の亀たる当方は、亀作戦(とにかく遅いけど止まらない)を実行していたが、豪脚なウサギさんは追いついてきちゃうんだなー。 

2014/08/03-09:35 大回りライダー

そして、カーブをヘコヘコ上っていると前のライダーがカーブを大回りしている。  当方もカーブは大回りだ。  内側を走れるような脚力があれば、内側を走るのだろうなぁと思う。  なんか仲間な感じがした。 

2014/08/03-09:39 四時発の人

2014/08/03-09:40 チームでアタックの人

2014/08/03-09:44 休憩して談笑していた人たち

談笑していて楽しそうだなーと思いつつ、抜こうと思ったら走行を始めたのでしばらくご一緒することになった。  そう、たいていのライダーは当方よりも早いのだ。  休憩していれば当方と同じ程度の速度で走るなんてのは雑作もないことだろう。  当方のようにハァハァしながら、上っている人はあんまり多くなくて、立ち止まって休憩して、また走るということを繰り返す人が多い。 

2014/08/03-09:46 休憩しているライダーと上り続けるライダー

漕いで上るライダーと押して上るライダーを見て思う。  漕いで上れればそれにこしたことはない。  でも、実は漕いだ方が疲れたりするかもしれない。  自転車を降りて休むのはアリだと思う。  しかし、自転車を降りているときに停止しているよりは、押した方がいい。  理由は簡単だ、押していれば進み続けているからだ。  当方の場合、グラフを見てわかるとおり、この矢久沢林道は 6km/h 〜 10km/h で走っている時間がカナリ多い。  矢久沢林道はだいたい 8km ほどあると思う。  通過に一時間弱かかっているので平均 8km/h くらいだろうか。  ここで、仮に 16km/h で漕ぐことができたとしよう。  しかし、こいでいる時間は 30 分かもしれないが、 30 分休憩していたら、当方と変わらなくなってしまう。  さらには押している人は 4km/h くらいで進めるわけで、全部押したって二時間だ。  もし、8km/h で 30 分漕いでから、自転車降りて押し始め 15 分押しながら休憩して、残りをまた 8km/h で漕いで上ったとすると、上りきるまで 23 分で済むから、合計一時間と八分で上りきれる。  休憩時間を 15 分とっても 8 分遅れで抜けることができるが、停止していたら、休憩時間そのまま 15 分遅れになる。 すなわち、遅くてもノンストップで進み続けることは、高速走行が可能であっても停止時間が長いとトータルで抜かれてしまうという「ウサギと亀」の話は真実なのだ。 

2014/08/03-09:57 国道 299 との合流地点

2014/08/03-10:00 十石峠まであとちょっと

2014/08/03-10:01 志賀坂峠手前の再現

ここで 3UP ジャージの人が追いついてきた。  まるで志賀坂峠手前の状況のようだ。  しかし、ここは志賀坂峠手前よりも傾斜がゆるい。  当方でもついていけるかもということで、ガンバったら十石峠までついていけた。  なんかとってもうれしかった。 

2014/08/03-10:08 十石峠で休憩中の人々

当然だが、前述のようにタイムアタック 299 な当方は十石峠で休憩するヒマなんぞない。  前を走る 3UP ジャージの人たちは十石峠で休憩に入るようだった。  当方は休憩ナシで、そのまま進行した。  なお、2013 年はスタートから 05:04 後だからして、今年の 10:08 は 05:08 なので、まだ四分遅れだった。 

十石峠〜ゴール(麦草峠)

十石峠を下って、チェックポイントであり、コース上最後のコンビニであるセブンイレブンで補給をしたら、ついに本日のメインイベントの麦草峠へのアタックだ。 

2014/08/03-10:31 チームアタック 3UP チーム
ダムカード部

十石峠から下っていると遠くに列車が見えた。  2011 年のブルベな「 BRM416 埼玉 400 九十九里」からはじめた低空気抵抗姿勢で追った。  路面の荒れには弱い低空気抵抗姿勢だが、路面がきれいならだいぶラクだし、最近はダウンヒルポジションに近くなってきているので、初期よりも空気抵抗がさらに減っているのではないかと思う。  ということで、近づいてみれば 3UP チームだった。  どうやら 3UP ダムカード部だったようだ。 

2014/08/03-10:38 佐久穂 CP

十石峠→佐久穂 CP (セブンイレブン)間のタイムは 2013 年はソロ走行で 32 分かかって、2012 年は SKMB さんと交代しながら下って 30 分でついた。  今年はソロ走行で 30 分で到着だ。  ちっとは早くなったってことかな。  でも、スタートして 1km でブッチギられる当方だがね(笑) というか、五時発の列車はそれだけ早かったわけだね。 

2014/08/03-10:50 怪しい雲行き

佐久穂 CP (セブンイレブン)では停止時間を最短とするために、軽量化と最低限の補給を行って 10 分(昨年比 -5 分)で出発した。  そして、セブンイレブンを飛び出して、走っていると前方に怪しい雲が見える。  雨が降ることがちょっと期待できた。  麦草峠への上りの最初の方は傾斜はキツいわ日陰はないわでとっても大変な区間なのだ。  しかし、雨が降ってくれれば調子あがりそうだ。 

2014/08/03-10:54 五時発ライダー

五時発のライダーが後ろから来た。  この二人のライダーについていければスゴいタイムが期待できるが、平地ならまだしも麦草峠への上りだもんな。  上りに入ったら、あっという間に見えなくなることだろうよ。 

2014/08/03-10:57 麦草峠まで 26km

さぁタイムアタックの始まりだ。  過去一番早かった昨年はスタート後 6:01 で突入したが、今年はスタート後 5:57 ということで、初めて昨年を先行しかも 4 分も先行できた。  あと 5 分縮めれば、目標である 8 時間切りも可能だった。 

2014/08/03-10:59 三時発ライダー

ということで、上りに入ったら、三時発のライダーには追いついたが、五時発のライダーはあっという間に見えなくなったわ。  当方も五時発の赤いゼッケンをつけているが、全く以って分不相応であるわ。 

2014/08/03-11:04 けっこうな雨

でも、天は当方に味方した。  雨が降った。  ここでピーカンだと体温がすごく上がってツラく後まで引くのだ。  割と気温は低めだったし、直射日光もあまりなく、ここで雨のおかげで気温はさらに下がり、体のほうも冷却された。 

2014/08/03-11:05 五時発ライダー

2014/08/03-11:11 三時発ライダー

雨の中走っていたら、雨宿りしている人たちがいた。  当方からするととってももったいないと思った。  どうせ、雨だか汗だかわからないくらい濡れ濡れなのだから、雨で体が冷却してもらえるといいのにと思うのだった。 

2014/08/03-11:15 四時発ライダー

2014/08/03-11:18 三時発ライダー

2014/08/03-11:22 三時半発ライダー

2014/08/03-11:26 三時発ライダー

遠くに列車が見えた。  追いついてみれば 3UP のチームアタックだった。  3UP のチームアタックに特徴的なのは上りでも一緒に走っていて列車になっていることだ。  他のチームアタックはみんなバラけていて、下りや平地では列車であることを生かせていないのではないかなーと思った。  そういうところを考えると 3UP では脚のそろったチームになっているんだろうなと。 

2014/08/03-11:27 チームアタック 3UP チーム

なお、この 3UP チームはジャージは当然おそろいだが、おそろいの靴下、記憶ではヘルメット下にかぶる帽子もおそろいだったと思う。  極めつけはゴールしたときにボトルを右手に掲げていたのだけど、おそろいのピンクのボトルだった。  あとは自転車をそろえればカンペキだな。 

2014/08/03-11:38 二人組

三時発のペアだと思う。  声の感じからすると片方は声の高い男か、女性か、苦しい息の下の当方は判別できる余裕はなかった。 

2014/08/03-11:43 三時半発ライダー

2014/08/03-11:50 三時半発ライダー

2014/08/03-12:05 標高 1600m 補給所直前の応援

なんか前方にホイールを持って応援してくれている人がいるなーと思ったら、 1600m 補給所直前の応援だった。 

2014/08/03-12:06 標高 1600m 補給所

この 1600m 補給所では、遠く見えなくなっていた五時発の人( 11:05 に写っている)と三時発の人( 11:26 に写ってる)がいた。  つまり、先にも述べたウサギと亀の話のように、遅くても停まらなければ、移動は早い停まっている人に一気に追いつくことが可能なのだ。  タイムアタック! 299 な当方は寄らずに「遅くても、いや、遅いからこそ停まらずに通過」したのだった。  そのためのセブンイレブンでの補給だった。  ちなみに、この補給所をパスした当方を補給所で停まっていた二人はスゴい勢いで当方を抜いていった。  やっぱり早い人は違う。  まぁ、おとぎ話のウサギはこれらの二人のように休んでいても亀をブッコ抜けるだけの実力はなかったとも言える。 

2014/08/03-12:12 三時発ライダー

2014/08/03-12:15 ゼッケン見えないので関係不明

何人か見かけたゼッケンをつけていないジャージの人だが、何かのイベントか練習会だったのかな? ま、お互い苦しい中上っているよなーと思った。 

2014/08/03-12:25 三時半発ライダー

2014/08/03-12:33 三時発ライダー

2014/08/03-12:40 片側交互通行の信号

こんなところに片側交互通行の信号があるのか! というようなところに信号があった。  前にいる人たちは速度を緩めていたが、当方は青のうちに突入するべくガンバったね。  おかげで、速度を緩めることなく進入できた。 

2014/08/03-12:42 あと 3km くらいか

2014/08/03-12:52 三時半発ライダー

今年はゴール前の最後のカーブのところで「あと 300m !」と声をかけられた。  あれはとってもよかった。  ラストスパートをした。  残りのエネルギーを全部投入した。  いや、死ぬほどじゃないけど、使える脚を全部投入だった。  おかげで、ゴールした後、脚が攣った。  12:53:44 ということで、だいたい 7 時間 54 分だな。 

今年は麦草峠の入り口の標識からゴールまで一時間五十七分だった。  2013 年は二時間七分で、 2012 年は二時間四十五分ほどで、 2011 年のアタック 299 では入り口から二時間十五分だったから、ここで昨年よりも 10 分ほど、時間短縮できて結果的に非常にいいタイムとなった。  つまり、効いたのは佐久穂 CP で停止時間を 5 分削り、最後の上りで 10 分縮めて、トータルで昨年比 15 分削ったと。 

ゴール〜帰宅

おうちへ帰るまでがイベントで、ちゃんと帰宅できたわけだが、その辺も写真と説明で残しておく。 

ゴール後、カップラーメンをいただいた。  だんだん寒くなってきたので、当方は上下のヤッケを着込んだ。  それでもやっぱり標高 2,000m を超える場所は気温が低い。  長い時間ゴール地点にいるなら上半身だけじゃなくて、下半身の保温もできるように考えておくといいと思う。  ウィンドブレーカは上半身しか持って来ていなかったので、上下のあるヤッケを着込んで自転車乗りには見えない格好になった。  先にゴール地点を辞して、風呂に向かった。 

2014/08/03-14:21 縄文の湯へ向かう途中

2014/08/03-14:31 縄文の湯入り口

延々 20km くらいを下り、お風呂に向かった。 

2014/08/03-15:30 茅野駅へ向かう途中

風呂上りはさっぱりして茅野駅へ向かい、切符を買って、目標とする列車がくるまで駅前の蕎麦屋さんで一杯引っ掛けた。  そこで、いろいろいいことを聞いた。  今回走っているときに、ちょっと踏み込みを強くするとギアがガチャガチャいって外れる感じがしたのだけど、チェーンが伸びているんじゃないか?という話だった。  考えてみれば CX900 に乗り始めて 5 年経った。  今のチェーンは 2 本目だ。  五万キロメートル弱ということは平均して一本あたり二万キロメートルを超えているな。  確かに伸びてない方がおかしい。  たぶん、骨髄移植ドナーをする前年あたりの負荷ナシ三本ローラーでガンガン漕いでいたころの年二万キロメートルペースが頭に残っていたのかな、チェーン交換の必要を感じていなかった。  今は三本ローラーで負荷もかけているのでチェーンが伸びるのだろうと思う。 

まぁ、とにかくチェーンは交換してみないとだな。  7 月の走行は 1,700km を超えたし、毎月 1,000km くらい乗っていれば年間二万キロメートルは行かないにしても、一年に一度とか、もっと頻繁にチェーンを交換すべきであることは想像できる。 

2014/08/03-18:01 臨時列車の自由席一番前

さて、茅野駅では、定期列車に乗るか、臨時列車に乗るか悩んだ。  当方の読みは、定期列車は混んでいて、臨時列車はあまり知られていないから少し空いているのではないかと。  果たして定期列車に乗らずに臨時列車の方にのったら、ラッキーなことに自由席の先頭の席が空いていたのでデッキで立ち乗りでなく、自由席に座って八王子まで帰った。  輪行袋の自転車を抱いて座席に座った。  輪行袋を抱くことで、隣には圧迫感をあたえて少々迷惑ながらもう一人座れるからね。 

2014/08/03-18:37 多分車両点検をする運転士

途中、警笛の直後に床に石などの硬いものがあたるような音と振動を感じた。  そして緊急停車。  「小動物と接触」とのことだった。  あんな音するか?という疑問があったが、職員ががんばって作業していたのを待つのみであった。  窓の外を運転士とおぼしき人が線路を走っていた。  ココロの中で応援して待った。 

2014/08/03-20:44 相模線最後尾車両

八王子では、横浜線のホームへ行き、東神奈川行きの合間に相模線茅ヶ崎行きがでるので、ソレを待って乗り込んだ。  茅ヶ崎まで眠気をこらえて座って行った。  茅ヶ崎駅で自転車を組み立てて、自宅まで 15 分くらい漕いでついた。 

とりあえず、ジャージや下着など汗でドロドロなものを洗濯機に放り込んで、動かし始めたら食事をした。  洗濯が終わるまで、写真の転送やパワーデータの転送なども行った。  当方のパソコン環境の問題か、パワーデータの保存がウマくいかなくて日付が変わっちゃった。 

その後

当日

帰宅してシャワーを浴びた。  ブルベで培った「尻、股間、ヒザの裏の保護」も上手くいってドコも擦れた痛みはない。 

ふくらはぎ、モモの筋肉が少し痛い。  まぁ、ダメージとしてはそんなもので、強くなったものだとちょっとうれしかった。 

翌日

自転車で出勤した。  痛みはなかったが脚が回らなかった。  社内を歩くときに脚がちょっと痛かったが、まぁたいした問題もなく歩けた。 

翌々日

自転車で出勤した。  痛みはほとんどなく、昨年とは違い、今年は疲労が残った感じだった。  本調子でなく脚の動きは渋い感じだった。 

オマケ

いくつか資料を作ってみた。  気が向いたら見てチョ。 

昨年と比較したグラフ

時間軸グラフなのだが、昨年( 2013 )よりも 15 分タイムを短いだけなので、細かいところがビックリするくらい似ていることがわかった。  下に昨年( 2013 )と今年のグラフを置いてみる。  まず、驚くのはマゼンタ(ピンク色)のトルクの線だが、ほとんど一緒といってもいいくらいそっくりだ。  道が同じということは傾斜も同じで、走行時間もあまり変わらないとくればこうなるってことか。 

次にオレンジ色のパワーだが、昨年は全体的に出力の増減が大きい。  今年は増減の幅が小さくて一定出力に近くなっている。  昨年のピークは山伏峠だが、今年のピークは志賀坂峠で、早い人を追ったときだ。 

心拍(赤)を見てみると出力の増減が昨年大きかった影響で心拍も高い傾向にあったが、今年は心拍は全体的に低く、かつ上下の変動も少なくなっているように見える。 

緑の線のケイデンスはというと、低回転での高出力を狙ったトレーニングをしてきたので、昨年よりもさらに低回転になった。  心拍が下がったのもケイデンスが下がったせいではないかとちょっと思う。 

2013 年グラフ 2014 年グラフ

使用物品写真

今回の使用物品は下の写真の通りだ。  輪行で現地に向かって、前泊して、アタック! 299 に出て、帰りに風呂に入って、輪行で帰ってくるために使った物品類なので、よければ参考にしてくれ。  今年は昨年( 2013 )の使用物品の写真を見てそろえたので、自分のために記録しているのが一番の動機だ。  そう、自転車と一部の装備以外はほぼ全部写っている。 

持参した主なもの
使用物品写真
  1. タイヤチューブ、チェーンリング、インシュロック、ベルクロ紐とそれらを入れるプラ箱(もともとチューブのハコだった)
  2. 保険証、スイカ、クレジットカード:上のタイヤチューブ類を入れる箱に一緒にいれておく
  3. 金(カネ):袋を財布代わりにする
  4. 工具、パンク対応セット、予備のお金をちょっと
  5. 心拍センサ、パワータップのロガー
  6. 水ボトル+ 900ml スポーツドリンク
  7. 自転車用靴
  8. サンダル:ゴール付近でうろつくときや、帰るときの電車で履く
  9. ウインドブレーカ:標高 2127m は夏でも気温が低い
  10. 着替え:帰りに温泉に寄って汗を流した後に着る
  11. 予備のビニール袋:汚れ物などを入れる
  12. 輪行セット:輪行袋、ビニールテープ、ニッパー、ラジオペンチ、カッター、軍手、アーレンキー、はさみ
  13. 時計セット:普通の目覚まし時計と予備の目覚まし時計用ストップウォッチ
  14. バックパック:コレに入れて預けるとゴールで受け取れる
  15. ホテルまで着てきたもの:ズボンは翌日も履く
  16. 衣装セット:自転車ジャージ、水着、手袋、腕カバー、脚カバー、靴下、頭用手ぬぐい
  17. ドーピング薬:ビタミン B 群
  18. キネシオテープ:尻やモモ、ヒザの裏などに貼って皮膚を保護
  19. 自転車用サングラス:コレがないと周りが見えないゼ
  20. 電話
  21. 行動食:およそ 10km 毎に薄皮つぶあんぱんを食べて最終チェックポイントまでなるべくノンストップとした

ドーピング

当方の場合普段からカフェインを摂らないようにしていて、コーラ、お茶、コーヒーなどを飲んでいない。  ブルベで眠くてしょうがないときに飲む。  アタック! 299 では佐久穂 CP でコーラ 500ml を飲んで、ここ一番というときに使っている。  たぶんちょっと効いたと思う。 

今回もう一種ドーピングしてみた。  ビタミン B 群だ。  早く走ることに効いたかどうかはわからない。  しかし、副作用があることはわかった。  当方の場合飲むと眠れない。  前夜に飲んだら眠れなかったわ。  確認に、睡眠不足の状態で出社して眠くなる午後に備えて昼ごはんのときに飲んでみたら眠くならなかったよ。  理由は良くわからないが眠くならないという副作用がでた。  要検討だが、こういう作用もあるならそれはそれで使いようがあるので、今後も摂取を考えたい。 


最後に

今年はトレーニング、机上の計画と実行が非常にうまくかみ合った。  八時間切りという目標は達成できた。  しかし、列車についていけないので誰かと一緒に走れるわけでもない。  ブルベライダーとして、自身を強化してきたが、このタイプはアタック! 299 に出走するライダーとは脚のパワー特性が合わない。  誰かをずっと引いてもいいけど、結局一人で走っているのと変わらない。  そうすると、アタック! 299 については、引退かなーとも思う。 

サイクルハウスミカミとチームのメンバー、サポートのメンバー、各出走者、各チームのサポートメンバーには感謝している。  この場で感謝の意を表したい。 

ということで、終わった。  来年も出るかどうかは要検討だ。  質問・意見・感想も歓迎だ。 


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