2016 BRM917 神奈川 200 箱根

BRM917 Kanagawa 200q Hakone in 2016, by SHIBATA Akira.
作成 2016/09/20

はじめに

20160917-12:02 長尾峠到達

今年はツいてないというか、憑かれているような気(後述)がしていた。  一応、アタック! 299 を完走できたので、すこーしだけ自信がついたこともあって、ブルべに参加することを再開してみた。  その第一弾ということで、 200q なブルべだ。 

憑かれているようだというのは、ここのところ、なーんか、自転車を乗ることに関して、都合悪いことが多く起こっているような気がするのだ。  気のせいだといわれればそうかもしれない。  しかし、思いつくところを挙げてみると、

これだけ悪いことが重なると、自転車に乗らないように仕向ける力が働いているのではないかと疑いたくなるわけだ。  しかし、アタック! 299 を乗り切った当方は、「もう大丈夫じゃね?」と思い、リスタートを切ったのだった。 

本番前夜まで

今年のアタック 299 を 8 時間 9 分で走り切って、ブルべに出られるかもと思った。  300q は走り切れたので、あとは 200q , 400km , 600km を走破できればというところだ。  その第一弾ということで、大船出発な 200q は脚試しにはいいだろう。  大船までも 10q とさほど遠くないから、ウォーミングアップにもなるだろうと思った。 

トレーニングは非常に不足している。  通勤で自転車に乗っているだけなので、涼しくなったら、三本ローラーを始めようと思っていたが、残暑が厳しく、乗る気にならなかった。  そんな言い訳を心の中でつぶやきつつ、久しぶりのブルべであった。  なお、前夜は飲み会があった。  翌朝のことを考えて、アルコールとカフェインを断りつつ、参加したのだった。 

走行について、机上の作戦

予想標高変化から、メインイベントは 20q くらいの 4-5% くらいの傾斜の登りだ。  ソレをやっつければ、あとはちょっとした登りと下り基調と長い平地、あるいは街中だ。 

よって、第一目標は完走、第二目標 10 時間切りってなところだろうか。 

新装備


今回は新装備がある。  新装備その 1 は、写真で見える通り、前輪のホイールにシマノの WH-RS81-C50-CL を投入した。  当方の得た情報では、後輪よりも前輪のほうが空気抵抗の影響が大きいとのこと。  そこで、今回のような平地が多いブルべと、通勤にとディープリムなホイールを投入した。  なお、後輪は従来通り PowerTap の付いた、普通リムのホイールを履いている。  購入して、受け取ったときに余りの軽さにちょっと驚いた。  もともと使っている普通リムのホイールよりも軽いので、ディープリムであるかどうかとは別に単純に軽量化に貢献できているっぽい。 

詳しい使用感などは、しばらく使用してから述べようと思っているが、三週間ほど通勤で使っている範囲では、走行時のホイールから聞こえる音がちょっと違う。  加速したときの感じ、向かい風の感じ、高速巡行の時のラクになる度合いなどの違いは体感では感じられない。  したがって、従来使用していたホイールと WH-RS81-C50-CL との差異については、乗った感じでは、わからない。  PowerTap を使用して、統計的に差があるかどうかを調べようと思う。 


新装備その 2 は、左の写真の部品だ。  これは、貼り付ける老眼鏡である。  当方は現在使用しているサングラスを川越のカニヤという眼鏡屋さんで作ってもらった。  ココは店主が自転車に乗るっつうことで、自転車に乗る人ならではの提案をしてくれるのだ。  ちょうどお店がリニューアルオープンした日に行って、導入した。  税抜き 2,900 円ととてもお安いので、お試しにはもってこいだ。  実は何年も前から、コレは世の中にはあったらしいが、日本では薬事法の関連でお店で販売することができなかったとかで、ちょっと前から日本の会社が輸入を始めたか何かで堂々と売れるようになったらしい。 

当方の老眼はすでに二十年くらい前から始まっており、夕方になると近くが見えにくくなっていたのだった。  当方のサングラスは近視用で視界が広いが、手元、特にブルべでサイクルコンピュータや、キューシートを見ようと思ったときに、字が小さいと見えないんだな。  特に、雨の夜の日なんか、停車させてサングラスを外さないと見えない。  ってなことで、老眼鏡の必要性を感じていた。  そこで、カニヤさんに相談したら、レンズを作るってのもあるが、安い貼り付けタイプもあるよと教えてくれた。  そんなわけで、ブルべの二日前(奇しくもカニヤさんリニューアルオープン当日だった)に買って使ってみた。 

今回のハンドル周り

コース

BRM917 神奈川 200 箱根 コース図

コースは大船〜小田原〜湯河原〜(椿ライン)〜大観山〜芦ノ湖〜長尾峠〜御殿場〜山北〜大船となっている。  下の標高図のようにずっと平地を走っていて、 PC1 からメーンイベントのおよそ 20q で 1000m 弱ほど登るという平均斜度 5% 弱の坂を越えて、その後は 300m 弱を二回登るだけという比較的イージーな設定だ。  当方にとっては、職場近辺を通過する比較的知った土地の多いコースで、自転車で箱根、芦ノ湖周辺通過というのが初体験な感じだろうか。  ま、 PC1 までは 200W 弱を維持して、無茶をせず、じっくりと漕いで行けばすんなり完走できそうに思う。 

標高図

ブルべ当日

スタート地点は一応事前に地図を見たが、よくわからなかった。  GPS にセットした経路情報のスタート目指して進んだのだった。  これが、失敗で、途中で歩道な跨線橋を自転車を押して通ることになって、少々面倒であった。  それ以外は、特に問題もなく到着できた。 

結果

今回の目標は完走。  第二目標 10 時間を切ってのゴールだ。  ソレに対し 9 時間 30 分くらいと第二目標クリアだった。 

ダイジェストとしては下のように心拍や出力が推移した。  写真付きの細かいところは、いつものようにだらだらと当方の感想をグラフの下に流してみよう。 

心拍は後半も維持できており、脚の回転も、パワーも維持でているので、特にタレはみられなかったといえる。  今回はダメージが小さいと思ったが、グラフでもそれが見て取れる。 

推移

スタート前

スタート地点到着は 05:45 くらいだったか、ちょっと早かったようで、当方以外には二台の自転車が見えたのみで、とても 100 人を受け付けるブルべの場所とは思えないくらいだった。  用を足して、野菜ジュースとシュークリームを買って、食べて飲んだ。 

20160917-06:32

人がたくさん集まっても、当方は知り合いもいないので、誰とも話すこともなく、手持無沙汰でブラブラしていた。  集まってきていた人たちの中には、再会を喜ぶ声もあったので、楽しそうに見えた。 

20160917-06:33

ブリーフィングのころになるとたくさんのライダーがいて、ブルべが始まるのだなと感じた。  埼玉や群馬のブルべと比較すると、ライダーの反射ベストの多彩さが目に付く。  こんなにもいろんな種類があるのだなぁと知ったのだった。 

20160917-06:45

そして、いよいよ車検が始まったのだった。 

スタートから PC1 まで

20160917-07:03

スタートして、すぐのあたりは上空にモノレールの通過する道を走った。  アップダウンがあって、当方は 200W を超えないようにと、ロガーの数字に注意しながら走っていたのだった。  そんなわけで、上の写真に写っている方々からは、すぐにちぎられたのだった。 

20160917-07:09

下りになれば、当方の重い自転車には有利だ。  ぐんぐんスピードが乗る。  それは WH-RS81-C50-CL の効果かもしれないが、単に重い自転車だからかもしれない。 

20160917-07:18

20160917-07:33

20160917-07:44

20160917-07:54

20160917-07:59

平地になれば、重量のある当方の自転車で、 200W 程度までに出力を抑えていても、信号がはなれているところなら、追いつくのだった。  相模湾沿いを西進していて、信号の間隔が広いところなら、小出力な当方であっても、 35km/h くらいの速度で巡航できる。  まぁ、街中の信号の間隔が短いところとか小さくても登りがあると、途端に遅くなるんだけどね。 

20160917-08:02

上の写真の女性は PC1 までは、よく前後した。  信号スタートは立ち漕ぎをするなど、いいペースで発進するので、当方は置いて行かれて、信号間隔が長くなると追いつくというような感じだった。  要するに、当方は巡航速度に達するのに、長い道のりが必要であるということだ。 

20160917-08:31

20160917-08:37

20160917-08:50

小田原を過ぎると、アップダウンが出てくる代わりに信号の間隔が広くなるわけで、登りは人並みよりもちょっと遅く、下りと平地は人並みよりちょっと早いくらいで走行した。 

20160917-08:51

出力を 200W に制限して、 PC1 に到着した。  ちょうど、本日のメインイベントの登りはじめにあって、なかなかいい設定だ。  ここから 20q を越えちゃえば、登りはたいしたものがないので、この後だけ気合をいれるぞーと思った。 

PC1 から PC2 まで

今回のブルべのメーンイベントの登り区間と、芦ノ湖畔を走り、写真撮影というミッションをこなす区間だ。 

20160917-09:24

PC1 では軽く補給と、これから坂を登って、疲労する予定なので、疲労回復に有効そうなクエン酸の多いグレープフルーツジュースとした。 

20160917-09:34

20160917-09:35

登りはじめに、片側交互通行があった。  200W 制限を外したからと言って、すぐにガンガン登れるってわけでもなく、 PC1 でいったん下がった心拍と体温が上がってくるまではちょっと時間がかかる。 

20160917-09:45

川のわきを登っていくわけなのだけど、パイプがあって、湯気が出ているところでお湯を得ているようだった。  そこで、ひらめいた。  地名は湯河原だ。  そう、お湯のでる河原か!……と、その時理解した。 

20160917-09:48

本格的に登りが始まって、無茶をしない程度に 200W くらいを維持して上り坂でクランクをまわした。 

20160917-09:53

20160917-09:58

小径車に乗っていた方が、停まっていた。  体調不良とか、何か手伝えるかと思い「大丈夫か?」聞いたところ、メカトラブルっぽいとのことだった。  それじゃ、何もできることはないので、進行した。 

20160917-10:01

ブルべライダーかと思ったが、抜きざまに全体的装備をみたところ、一般ライダーっぽい感じだった。 


湿度が少々高かったが、交通量も少なく、傾斜もヒドいというほどでもなく、かといって短か過ぎず、 200q のブルべのメインイベントとしてはいい感じの坂でもあった。 


上の写真の方なんだが、この方は早かった。  ガンバって写真を写したが、あっという間に置いて行かれた。  このときにガンバって漕いだ記録が、今回のブルべでの時間当たり( 5,10,15,20,30分)最高出力の記録になっていた。 


20160917-10:48

登り始めて、一時間二十分程度だろうか、今回のブルべのメインイベントを越えた。  あとは、何度かチョロチョロ登って、御殿場から松田まで下るだけだと思った。 

20160917-11:26

20160917-11:49

20160917-12:02

冒頭にも掲げているが、今回のブルべでは写真を撮ってこいというミッションもあった。  それが上の写真で、トンネルを越えて下った。 

20160917-12:25

御殿場では混んでいて、渋滞が発生していた。 

20160917-12:34

渋滞で走れない……こういう時は、押す!  そう、自転車から降りて、自転車を押して歩けば、歩行者だ。  そんなわけで、上の写真は、当方が歩行者であったときの写真だ。  当方は SPD ペダルなので、靴も歩きやすい。  以前は、ブルべで上り坂でクランクをまわせなくなって、随分押したなぁ。  後ギアに 28T を入れてから、久しく押してなかったなぁと、久しぶりに押しを入れて、ちょっと感慨深かった。 

20160917-13:03

暑くなっていて、ボトルの水も切れていた。  PC2 のこのコンビニは、自転車スタンドもあって、なかなかよかった。 

PC2 〜 PC3 まで

この辺になるとあまり人もいなくて、写すモノなかった。  この区間は、前半はずっと下り、 PC3 の手前で県道 77 号は細かい登りがあるが、基本的には下り基調で、平塚に入れば平地というコースで、何とか自転車や自動車で走ったことのある道があって、気分的にはラクだった。 

20160917-13:04

ここからはずっと下りだーと、水分補給をメインにした。 

20160917-13:48

三月のブルべで震えた国道 246 号を通過した。  半年後に暑いなーと思いながら、走ると当時は考えもしなかった。  上記の写真の時の表示は 27 ℃、三月は 8 ℃で雨の中だった。  しかも下りであまり漕げないから発熱も少なく、スピードでるから体感温度は下がるしで、寒いわけだよなーと、振り返っても納得の寒さだった。 

20160917-14:50

結局、 PC3 まで誰にも会わずに到着してしまった。  先着している人が一人いただけだった。 

PC3 〜ゴールまで

20160917-14:50

後は、平地基調で 40km 程度ということで、補給もそれほどいらぬと、プリンだけで済ませた。 

撮影したハズだが、写真がないのだけど、この区間でおひとりさまに抜かれた。  PC3 で先に出た方が、いつの間にか後ろにいた。  平塚市から抜けるというか、相模川にかかる橋が前方に見えた時に、先を譲ったのだ。  相模川を越えると街中で信号が増え、平地基調とはいえ南北に川が流れるところを東進するのだから、細かいアップダウンが増えるということから、当方の進行速度はとても遅くなることが予想された。  よって、さっさと譲ったわけだった。  そのあと二度とこの方の背中を見ることはできなかったから、当方の判断は正しかったといえる。 

この区間でモモに少々違和感を感じた。  攣る前のピクピクくるようなアレだ。  どうせ、残りは平地基調だし、たいした道のりが残っているわけでもないので、出力を下げるでもなく、そのまま走ったらいつの間にか、違和感は消えた。  県道 77 号での登りの出力が少々過大だったかもしれない。 

20160917-16:27

ゴールのコンビニに到着した。  ここの駐車場をゴールとしたのでここで買い物して、そのレシートをもってゴール時間になったようだ。 

20160917-16:31

自宅まで帰る分の水分とエネルギーということで、サイダーとした。 

20160917-16:44 ゴールテント

ゴール〜帰宅

ゴールして、疲労はしているものの、あまり大きなダメージもなく、淡々と漕いで帰宅した。  いまからどうしても 200q 走らなくてはならないと言われても、可能そうだった。  この感じから 400q は大きなトラブルがなければ、走り切れそうな手ごたえ、……いや、脚ごたえを感じた。 

その後

当日

帰宅してシャワーを浴びた。  少し、尻がすれて、シミたかな。 

筋肉痛はふくらはぎにちょっとあったくらいだ。  いつも問題になる膝下の腱痛だが、少し痛いだけで、ロフト式ベッドである当方のベッドへの上り下りもちょっとキツいかなと思う程度で、ダメージは非常に小さいことがわかった。 

翌日

雨だったので、自転車では出勤しなかった。  よって、歩くにはふくらはぎに少し筋肉疲労が感じられる程度だった。  また、職場のビルではエレベータを使わず階段を歩いて登っているのだけど、モモの前面に疲労が残っていることが分かった。  尻の疲労は感じられなかった。 

翌々日

自転車で出勤した。  脚の動きは少々渋いが、パワーはそこそこにでていた。  出勤時に、いつもは 100rpm ± 5rpm くらいで走っているが、 90rpm ± 5rpm くらいで走った。 

上昇率

登攀上昇率

今年のアタック! 299で分析してみて気づいだが、一定時間に登れる上昇率といっていいのだろうか、やはり一定のようだ。  上の図では、青い線で速度、茶色の線で標高が示されている。  速度はずいぶんと上下しているけれど、標高の上昇の角度はほぼ一定だ。  これは、多分、傾斜にかかわらず当方の上昇率が一定であることを意味している。  まぁ、あたりまえと言えば、あたりまえだが、傾斜が緩くなっても早く走らないなら、こうはならない。  傾斜が緩ければ早く走れて、傾斜がきつければゆっくりしか走れないわけだ。  そういう点では、傾斜が緩い時にもガンバっていたといえるだろう。  パワータップをつけて走って、パワー一定で走ろうとするとこうなるってことで、当方の場合は一時間当たり 800m ほど登れるペースのようだ。 

出発から 7:20 後あたりの登りは角度が急であり、短いことがわかっているから、ガンバって漕いだのだろうと想像される。  7:40 ごろは、ちょっとへこたれていつものペースになって、そのあとまた急に登っている。  モモがピクピク来ていたのはこの辺の出力過大があったせいだろうと想像できる。 

街中に入ったのは 8:40 過ぎかな。  細かいアップダウンがあって、信号に萎えたなぁ。  特に下りがあって、向こうに上り坂が見えるときに、坂の下の赤信号に見舞われたとき、激しく萎えた。  気分的には、勢いをつけて一気に登りたいのに、せっかくの位置エネルギーがない状態にさせられるんだもんね。 


最後に

なんのかんの言っても、完走できた。  それで、今回の目標は達成できた。  ダメージも小さかった。  再び目指すには遅いかもしれないが、 SR (SuperRandonneur) を目指してみたい。  残るは 400q と 600q だ。 

Audax 神奈川の方々、サポートのメンバー、各出走者には感謝している。  この場で感謝の意を表したい。  願わくば、当方が誰にも迷惑をかけていないこと、誰かの力になれればと。 

ということで、終わった。  質問・意見・感想も歓迎だ。 


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