GPS 外部アンテナをつけてみる

GPS externel anntena, by SHIBATA Akira
作成 2009/02/08
2009/07/22 更新

現状の問題

筆者は Open Street Map の GPS のログ取りに Colorado 300 を選んだ。 しかし、みてわかる通りというかあたりまえだが、アンテナが本体にくっついている。 よって、電波を良好に受信するには本体を受信しやすいところに設置しなくてはならない

GARMIN Colorado 300(日本版) amazon へのリンク

解決策

アンテナが本体にくっついているから問題なのであって、本体と離れたところにアンテナがあればいいじゃん! ということで、考えてみると外部アンテナ端子がある(下図参照)。

アンテナ端子

購入について

まず最初に検討するのは純正アンテナ(下図)で GA 27 というらしい。 しかし、これはどうも日本のサイトではイマイチわからなかった。 結局 Garmin 本家 をあちこちみてなんとなくわかったようなもので、確信が持てたわけではなかった。 しかも土台付きとはいえ、一万二千円強 (2009/02 現在) とフトコロには優しくない。 そのうえ、商品としての取り揃えも少ない。

純正外部アンテナ

ふと思い立って米国の amazon で検索してみることを思い立った。 「日本で買え」という旨の表示がでるが、入手難なモノを本家で買いたいと思うのは自然なことだ。 しかもっ! サードパーティがあるぞ。 外部アンテナだけで $16.95 で、土台が $6.45 だ。 なんか爆安じゃないか?(2009/02 現在) まぁ送料 (shipping fee) がそれぞれ米国内向けで $4.99 とでているが、円高の今 (90円/$ 程度) なら五千円でもお釣りが来るぞ。 個人輸入はちょっと怖いが、米国であっても amazon ならということでポチってみた。 結果 $38.40 だ。 出荷は 2 月下旬とかで、気長に待つことにしよう。

外部アンテナ写真 外部アンテナ写真

外部アンテナの威力:精度

2009/02/01 の夜に発注したのに、 2009/02/08 の昼間に到着したよ。 二月下旬出荷ってあったのだけど… まぁ、早いぶんにはいいか♪

封筒の写真

UPS で送ったようだ。 まぁ、 $15 の送料も出せばこんなに早いのかっ!はえぇ〜と感動。 ブツは上の写真の通りなのでそのまんまだ。

ということで威力を見てみたい。

電波が弱い屋内で実験してみた。 アンテナの場所がだいたい同じになるように、外部アンテナを外したときは本体のアンテナを外部アンテナのあったあたりになるように置いた。 表示させながら交互につけたり外したりしてキャプチャした図を掲載する。 誤差と衛星の電波強度グラフに注目して欲しい。 画像をクリックすると原寸サイズで見られる。

誤差 (m)コメント
806:44 外部アンテナ付けた 06:44 - 外部アンテナ付けたわけだが、屋内で誤差が 10m を切ったのは初めて見た。電波強度のグラフも長いように見える。
7006:47 本体のみ 06:47 - 外部アンテナを外したらとたんに誤差が大きくなり 70m で安定した。強度グラフが短い。相対表示とか自動スケールではないようで、絶対表示かもしれない。
806:50 外部アンテナ付けた 06:50 - 再び外部アンテナを付けたら誤差が小さくなり、電波強度グラフが長くなったので絶対表示と思われる。
1306:56 本体のみ 06:56 - 20cm ほどずらして少し条件の良い場所になった、誤差 10m を切れないかと見てみたがダメなようだ。
607:15 外部アンテナ付けた 07:15 - しかし外部アンテナをつけるととたんに誤差が小さくなる。
1107:31 本体のみ 07:31 - 15 分ほど置いてみて、本体のみの最小誤差 11m にはなったがソコまでだった。電波グラフの棒も短い。
607:43 外部アンテナ付けた 07:43 - もう一度外部アンテナをつないでみると、電波強度グラフの棒が長くなり、誤差も小さくなった。

(2009/03/01 追記)
下の電力消費の時に取ったログで精度をより視覚的に捕らえられることを発見した。 …そうログを JOSM を使って同じ縮尺で表示してみると一目瞭然だ。 左の画像が外部アンテナをつけないで本体のみで表示したもので、右の画像が外部アンテナをつけた場合だ。(画像をクリックすると原寸で表示する) 位置は同じハズだが、外部アンテナをつけると微妙に右にズレてるように見えるが気のせいということにしよう。

外部アンテナナシのログから JOSM で表示:クリックすると原寸で表示 外部アンテナアリのログから JOSM で表示:クリックすると原寸で表示

(2009/07/22 追記)
Colorado300 本体のみの時にはどれだけ待っても精度(GPS Accuracy)は 3m が下限だった。 しかし、外部アンテナを付けたらなんと 2m の精度(GPS Accuracy)が出た。 ということで、ますます外部アンテナはオススメだ。

精度2m 精度2m 精度2m

外部アンテナの威力:電力消費

(2009/02/21 追記)

アンテナの裏側をみると High Gain Amplified GPS Antenna と出ている。 なぬ?「 Amplified 」となっ? すなわち増幅しているので、電気を使っているハズだ!それは心配事が増える! 「電池のモチについて→ colorado300 は電池バカ食いするので外部アンテナを付けることでさらに電池寿命が短くなるのではないかと心配だ」と懸念した。 どうやって測定すればいいか思いつかなかった。 画面が消えるまでビデオ撮影する? それとも精密電力計を使う? いろいろ悩んだ。

そうだ!バッテリが切れるまでログ取りすればいいのだと試してみた。 ということで、下の手順で調べた。 そして、その結果は下の表の通りで、差があるとは言い難い結果でログ取得には気にする必要はなさそうだ。 極端に短い時間のところは間違って電池交換を忘れたかも… 外部アンテナのアリ/ナシを交互に実験してみたのは、気温とかバッテリのローテーションとか衛星の状態などの影響を減らしたいと思ったからだ。 また電池の持ち時間が 12 時間前後であるが、これは移動しないで机の上に放置していたせいで、 Colorado300 をなめちゃぁイカン! フィールドに持って行って移動して回ってると、今回実験に使った eneloop といえども六時間程度で電池が切れたりするのだ (笑)!

  1. 前準備として…直接測定に使うためでない電池を入れ、電源を入れ、トラックログ取得の間隔を 1 分と 1 秒 (深い意味はなく、もともと取得間隔 1 秒だったが、桁ごとに指定なので分のところを 0 → 1 にするだけにした) にし、ログ取得を OFF にして、現在あるログをクリアして電源を切る
  2. 開始準備として…電池を測定用に満充電したものに電池を交換し、アンテナをありの場合には外部アンテナを取りつけた
  3. 開始時作業として…電源を入れ、トラックログ取得開始し、衛星電波強度表示画面にした (表示画面を統一することで条件が同じになると考えた)
  4. 時々見にいって電源が切れているか確認し、電源が切れていたら終了時作業に入る
  5. 終了時作業にあたって…前準備に使った電池を入れて、電源を入れ、トラックログ取得を停止し、現在のトラックログを保存して、最初の前準備に戻る
  6. 上記をアンテナを付けたり、つけなかったりで複数回実行してログを取得した
  7. パソコンにログを GPX ファイルとして取り込んだ
  8. メモ帳で GPX ファイル中の time タグを探し、 Colorado300 の場合はそのほうが適当なので、二番目の time タグにはさまれている時刻を抜き出す (多分最初の time タグにはさまれている時刻は最後の記録時刻のような感じがする)
  9. GPX ファイルをお尻から time タグを探し、必要なだけさかのぼって最後の時刻を取得する ( Colorado300 の場合は電池が切れて電源が落ちた後でも時々何かを記録しているようだ、ログ取得間隔約 1 分なので、ログが一分間隔の最後のものを記録終了時刻とした)
  10. あとは終わりの時刻から開始時刻との差を求めてみた
状態記録開始記録終了記録時間
外部アンテナなし2009/2/14 3:242009/2/14 14:3311:09
外部アンテナあり2009/2/14 15:042009/2/15 2:3511:31
外部アンテナなし2009/2/15 10:182009/2/15 22:0011:42
外部アンテナあり2009/2/15 23:182009/2/16 10:5311:35
外部アンテナなし2009/2/16 11:382009/2/17 0:2912:50
外部アンテナあり2009/2/17 6:472009/2/17 19:2412:37
外部アンテナなし2009/2/17 21:032009/2/18 9:0612:02
外部アンテナあり2009/2/18 13:422009/2/18 13:460:04
外部アンテナなし2009/2/18 21:102009/2/19 9:3512:24
外部アンテナあり2009/2/19 14:102009/2/20 2:3012:20

GPS 外部アンテナの威力のまとめ

上記実験により明らかに外部アンテナを付けたほうが電波をよく受信し、誤差が小さくなることがわかった。 恐れていた電力バカ食いもなく、外部アンテナの有無で電池のモチは Colorado300 くらいの電力消費なら、目に見えて変わることはなさそうだ。(「電池一本で 100 時間もちます」みたいな装置では影響は大きくでるかもしれない) 外部アンテナ本体も小さいので電波受信に有利な場所に取り付けるための自由度が高くなった。 さらに今回はお試しで $38.40 で購入してみたが、お安く性能アップできるということがわかった。

GPS 外部アンテナをつけての今後

いくつか課題や懸念事項が思いついたので、メモしておく。

結びに

思いつくところを追加してみたいと思う。


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