「末梢の保温に完璧はない」と聞く。 事実だと思う。 しかし、それに抗って試して、ある程度満足いったのでここに記す。
去る 2009 年 7 月に CX900 に乗り始めて、冬場の足先の冷たさに大変困った。 自転車を漕ぐということは体内に大量の熱を発生させることに他ならない。 血液が循環することでその熱は体全体へ流れていき、放熱されるわけで、冬でもうまくバランスすれば寒く感じることなく自転車に乗ることが可能だ。
しかし、当方の場合は末梢の血管が細いようで十分な血液が回らないと想像する。 というのも寒いときに自転車をガシガシ漕いで大汗をかいているのに、手足が冷たいままであることが多い。 手については、 30-40 分程度すると暖かい血液が手に回り始めるようで、ソレまで指先は非常に冷たく痛いのだが、時間が経つにつれ緩和される。 よって、手のほうの保温は漕ぎ始めだけ我慢して、その後も熱を発生し続ければあまり問題がない。
足についてはブルベのための冬場の耐寒装備の実験をするため、夜に一時間ほどで往復 30km の道のりをこいでくると、足の指にシモヤケができることがある。 たった一時間でつま先にシモヤケができてしまうほど足は血行が悪いわけだ。 実際、つま先は冷たい間はとても痛い。
足先の頬の他に方法としては、靴カバーの代わりにビニール袋で足を靴ごとくるむとか、使い捨てカイロを貼り付けるなどの方法もある。 しかしながら、ビニール袋でくるんだときには、最初は暖かい気がするが、通気性がないことにより中で結露し、その結露した水分が冷えて結果的に寒い・冷たくなるということがわかった。 使い捨てカイロを貼り付けたときは、最大片足あたり三枚のカイロを貼り付けたが、靴カバーをしていても効果はほとんど感じられなかった。
発生熱量が使い捨てカイロの 13 倍という売り文句を信じて購入してみた。 標準サイズの PEACOCK というモデルでは 68×101×15(mm) とかなり大きいので、もっとも小型の PEACOCK mini 58×87×13.5(mm) を購入した。 構造的に時間当たり発生熱量に差はなさそうで、モデルの違いは単に持続時間の差のようだ。
実験では、靴カバーと靴の間にカイロを挟んだが、それでは走行中の空気冷却による放熱の方が大きすぎて、触媒反応が止まってしまうことがわかり、保温が必要であることがわかった。 もっといえば使い捨てカイロの 13 倍の発生熱量をもってしても放熱のほうが大きいということは、使い捨てカイロを 3 枚つけたくらいではまったくダメだったことがわかる。 改良して、カイロを保温することにした。
具体的には下のようなやり方をしている。
ハクキンカイロ(当方の場合、 PEACOCK mini )を靴の甲に載せる。
シート状の発泡スチロールをスネから足の甲にかけてのせて、スネの部分は自転車ジャージの中に入れる。
下の写真のように靴の上部をシートで覆うような感じになるといいと思う。 最小限としてなら、カイロを保温できるだけの分があればいいので、もっと小さくていいだろう。
靴カバーを足首のほうから取り付ける。
最後につま先をつけて、足裏のバンドを留める。 かなり不恰好だが、形はあきらめてくれ。 なお、カイロのおき場所によっては足の甲が痛いことがあるので、適宜いい具合の場所を探してくれ。
実績としては 2011 年の BRM130 アタック小田原を完走して、当日朝は -2 ℃という気温にもなっていたらしいが、「暖かいという感じは特にしなかったが、特に冷たくなって痛いとかシモヤケができたということもなかった」わけで、効果は実感できた。 もっといい方法があるかもしれないが、今まで試した中でもっとも効果的であり、今後も続けていきたいと思った方法だ。 足先の冷えでお困りの皆さんの快適な自転車生活の参考になればと思う。 Good luck!
思いつくところを追加してみたいと思う。 意見・感想も歓迎だ。
当方(SHIBATA Akira)は, 本サイトをご利用の際に起きるかもしれない不利益に対し, 一切責任を負いません.