去る 2009 年 7 月に CX900 に乗り始めて、ブルベに参加を始めた。 一応 2010 年に入って、 200km,300km,400km,600km のブルベを時間内に走破できたので、 Super Randonneur(略して SR) を自称できるようになった。 オダックス埼玉 (略して AJ 埼玉)主催の埼玉県内発のブルベは全部走ってみたい気になったので、目標を SR 取得から一歩すすめて、 AJ 埼玉シリーズコンプリートに切り替えた。
「ブルベ」について、ルールや詳しいことはオダックス・ジャパンのペイジをみて確認しよう。
で、自分のためにどういうコト・モノが役に立ったかとかそういうメモを残そうと思う。 …あと、ナニをして、どう感じたとかのグダグダも書いておく。
対策・装備について記述する。結果は後述。
大先輩によれば「寝るととても違う」らしいので「休息は取ったほうがよい」とのこと。 しかし、 600km も一気に走りきれたし、 400km も過去二回仮眠ナシで走破できたので、スーパーアタックな今回も漕ぎつづけられることと自身に期待して出たとこ勝負でいこうと思う。
当方の特性としては下のようなことが挙げられる。 今回はトルクが小さいということから、後ろギアを大型化し、スーパーアタックな上り坂での、休憩による停止時間を減らしてトータルで早くなりたい。
過去に 5 回のブルベに出たわけだが、とにかく走破したかったので、登りで漕げなくなったときには 2,3 回目は停止よりは進みたいということで押しを入れた。 4,5 回目は、漕げなくなったら蛇行または止まって休憩をした。 今回はできれば、なるべく漕げなくならないようにしたいので、後ろギアの大型化により登りでの必要トルクを減らし、遅くても蛇行せずにまっすぐ登って進むというアプローチだ。
基本的装備は BRM619 埼玉 400 アタック長野同様だ。 今回もコマ図スクローラを使おう。 ただし、登りが多そうで、前回でコりたので、なるべく軽量化につとめたい。 考えてみると使ったことのない装備が多い。
今回の目玉はトルクが少ない当方が登りでも漕ぎつづけられるように大型後輪ギアの導入だ。 従来は CX900 の標準である 13-14-15-16-17-19-21-23-25 (SHIMANO CS-HG50 13-25T 9S) がついていた。 前が 28 なので最終ギア比は 1.12 だ。 これだって充分軽い。 いつだかに聞いたロード自転車のもっとも軽い比は前 34 で後ろ 25 の 1.36 と聞いたこともある。 CX900 の最終段よりも二割も重い。 当方にはロード自転車はまだまだだということだ。
CX900 標準ギア比表 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 19 | 21 | 23 | 25 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
48 | 3.69 | 3.43 | 3.20 | 3.00 | 2.82 | 2.53 | 2.29 | 2.09 | 1.92 |
38 | 2.92 | 2.71 | 2.53 | 2.38 | 2.24 | 2.00 | 1.81 | 1.65 | 1.52 |
28 | 2.15 | 2.00 | 1.87 | 1.75 | 1.65 | 1.47 | 1.33 | 1.22 | 1.12 |
前回から投入したパワータップは高いので導入にはとっても勇気がいる。 しかし、後輪側のギアカセット(というらしい)一式でも 5000 円前後と「清水の舞台」から飛び降りる必要もない。 ってなことで投入については即決だ。
買ったのは 11-12-13-14-16-18-21-24-28 ( CS-HG80-9 (ICSHG809128)) だ。 自転車屋さんで気を利かせてくれて 12-13-14-15-16-18-21-24-28 という組み合わせにしてくれた。 従来からの変化としては 17 と 19 がなくなって 18 になり、もっとも重いところは 12 までになった。 重いほうはギアを変えたときににギア比の変化をあまり大きくしないようにしてくれたわけだ。 まぁ、ハイブリッドだからミョーになるかもしれんが、そこは自分のリスクでということでチャレンジだ。
新型ギア比表 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 18 | 21 | 24 | 28 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
48 | 4.00 | 3.69 | 3.43 | 3.20 | 3.00 | 2.67 | 2.29 | 2.00 | 1.71 |
38 | 3.17 | 2.92 | 2.71 | 2.53 | 2.38 | 2.11 | 1.81 | 1.58 | 1.36 |
28 | 2.33 | 2.15 | 2.00 | 1.87 | 1.75 | 1.56 | 1.33 | 1.17 | 1.00 |
とにかく、これで前 28T 、後 28T とギア比 1.00 となって従来よりも 12% 軽くなったはずだ。 従来の 1.12 〜 3.69 ( 3 倍ズーム?) から、新型 1.00 〜 4.00 ( 4 倍ズーム) になった。 さぁ、イケイケごーごーになったかは、結果を見てのお楽しみ。
撮影については今回も PENTAX 防水デジタルカメラ Optio W90 だ。 精神的に余裕がなくなると撮影をしなくなるので、休憩がてら撮影できるようになりたい。
今回 GPS でのコース確認に使わせてもらった mprb さんの作だ。
今回は前日、前々日ともにかなりの雷雨だったので、そりゃー期待したさ。
昨年は雷ゴロゴロをソバに聞きながら走った人がいたらしい。 当方、そんなスリリングな体験したことがない。 雨の中だってあまり走ったことがない。 だから、猛烈な雷雨の中の走行が期待できると胸躍らせてもいた。
「 PC4 時間切れ!→でぃーえぬえふっ!」なブルベだった orz
下は分析とか振り返りとか称しているイイワケだ。
04:00 出発なので、ブリーフィングを 03:30 と見込んだ。 自走で 15km 先のゆうパークおごせに行くには一時間もあれば充分と見た。 自宅発を 02:30 と見れば 01:30 起床とあいなった。 一時間あれば、メシ・歯磨き・シャワー・着替えができるわけだ。
起床はオンスケジュールで 01:30 だった。 いつもは眠いのだが、全然眠くなかった。 なぜなら、イマイチというか、遠足の前夜のように全然眠れなかった気がする。 眠れないことを気に病んでもしかたないので、とにかく横になって目をつむっていた。 今回の敗因の一つとも想像できるが、それも含めてブルベだと思う。
いつもの写真と同じではアレなので新調することにした(笑)。 でも食うものは同じ。 やっぱりどら焼きは食いきれなくて、どこかの峠への登りの途中で食べた。
…そうそう、この超大盛りやきそばだが、麺がはみ出たり、ヒドいことに全部でちゃったりと、悲しいことになる人がいるらしい。 当方は下の写真のように箸でフタを抑えて湯きりをするので麺がはみ出ることもない。 悲しいことになった人は試してみてくれ。
受け付けの写真を撮ったら、なんだかワケがわからない感じになった。
参加者の方に向けてフラッシュを焚いて撮影してみたが、これもわからん写真だ。
涼しいうちに距離を稼ごうと思った。 また、二度上峠の手前で補給をしておこうと水分購入と食事を摂った。 これはうまくいったと思う。
スタートしてしばらくは暗いなかなので、夜間走行状態だった。 05 時過ぎには日が昇り、県道 30 号も自動車の少ない状態で走れた。
二度上峠のアプローチに入る前にセブンイレブンがあって、そこで食事をして、水分を買い込み、途中での補給用にアンパンを買った。 水分は足りない状態にはならずに済んだので、よかったと思う。 ただ、飲み切りに近い状態になるとはいえ、ボトル 2 本で 1.5kg と 2 リットルのペットボトルで、合計 3.5kg も積んでいるのはなんか理不尽な気がする。 2 リットルのペットボトルを積まないときは、背中に 500ml のペットボトルを 2 本と、キャリアに 500ml のペットボトル一本という感じでやっぱり 3kg くらい積んでいた。 どうやら当方は水分の消費が激しいようだ。←やっと気づいたか (笑)
まぁ、いつものごとく上り坂ではボチボチと抜かれる当方であったが、後輪にビッグギアを入れているせいか、足取りもちょっと軽い気がした。
晴れてあっつくなるかも知れんとビビっていたが、写真のようにわりとドンヨリしていて直射日光を浴びたのは日の出直後くらいだった。 そういう点では今回は天候に恵まれた。 当方の場合、雨よりは気温が高いほうが不快度も高くなりやすい気がする。
二度上峠の手前でスタートから 100km 地点になるわけだが、スタートから 5 時間と 19 分は 18.9km/h と悪くないペースだ。 PC1 は間に合うとは思っていたので、このペースを維持したいと願っていた。
今回のメーンイベントたる 2000m を超える峠を越えるのが PC1 〜 PC2 だ。 登りにチョー弱い当方が約 30km で 1500m を登るわけで、想像通りとてもツラかった。 高い山ではクラクラ(高山病?)する当方が果たして登りきれるのかという心配もあった。 PC2 まで行き着ければ完走も見えるかと思った。
水分補給はコーラだの、ポカリスウェットだのの甘いものばかりでちょっとヤになっていた。 そこで、PC1 での食事はしょっぱい系の「サラダ巻き」と「そうめん」とした。 また、途中での水分補給にコーラからサイダーに変えてみたが、効果は変わらず、香りも違うので、気分転換にはいいと思った。
上の写真は PC1 を出る直前の水分量だ。 ケージにつけているボトルで 750ml x2 と、 500ml x3 (背中に二本さして、一本は荷台) で合計 3kg だ。 2 リットルペットボトルは出発前に飲みきった。
草津までの坂もツラかった。 ちっとも進まない感じで自らの非力さを痛感した。
草津のセブンイレブンでは新しい技を開発した。 そう、カップに入った氷を買って、ソコに背中で温まった飲み物を入れると冷やすという技だ。 あまった氷はケージボトルに入れればしばらくボトルの水分も冷えていてうまい。 我ながら名案だと思った。 セブンイレブンを出ると 80km ほどコンビニ等の店がなく補給はできないと聞いていたのでビビって店をでた。 直後の急坂にはゲンナリしたが、それだけじゃすまなかった。
途中、硫黄クサいところがあって、駐停車禁止とかあるんだけど、「自転車でハァハァしているのに、どうすんだよ」と思いながらものそのそと漕いだ。 きっと、毒ガスもガッツリ吸っているんだろうなぁとか考えたが、高地のせいか、単に疲れているのかわからなかったが、思考はほとんど停止していた。
下からも上からも道路が見えて、しかもブルベライダーまで見えちゃったりした。 これからアソコまで上がるのカーとか、さっき抜かれたけど、もうあんなところまで…などなど
でもって、「聞いてないよー」な日本の国道最高地点の標高 2,172m へ、やっとこさっとこ到達したのだった。 時間がないのがわかっていたので、自分撮りしてさっさと下ったが、寒くてすぐにヤッケを着た。 さすが高地、確かに寒かった。
道に迷ったりしながらも PC2 にタイムアウト約 10 分前の 16:59 に飛び込んだ。 ここでタイムアウトだったら、イイワケが出来て「間に合わなかった」ということで輪行で帰れると思ったが、「間に合っちゃった」のでリタイヤする口実はなくなった。
や、もうね間に合わないと思ったけど、努力しないでリタイヤするのイヤじゃん? ガンバってみたよん。 そしたらさ、間に合ったんだよ。
PC2 から下界に下りてくるときの道にはグレーチングがあってタイヤがちょうど嵌りそうだという注意があった。 確かにいい感じの幅だった。 当方の場合は 32c を履いているので、リスクは少なかったが、目を凝らして避けて下った。 そして、途中からはいつしか雨になった。 下りはもうあまり寒くはなかったし、登りは暑かった。
で、必死こいて漕いだのだ。 ミスコースもしたけどな♪ タイムアウトまで約 30 分の 19:34 で、貯金が 20 分ほど増えた。 (笑)
菅平を何とか 2 時間で上りきって、入山峠に 01:00 くらいまでに到達できれば PC4 通過も見えて、キビしいながらも完走が見えると思った。
ところがだ! 上り坂に激弱い当方の本領発揮して、菅平を上りきったのはなんと三時間半後の 23:30 ごろだ!(爆
ペースを上げたいと思いながらもチマチマとのぼりがあったりと入山峠通過は 02:00 ちょっと過ぎだったと思う。 そう、そこから PC4 までは約 40km だ。 いくら下り基調とはいえ当方にとっては一時間半で 40km はキビしい。
ガンバった。 手元の時計では 03:32 は回っているが、コンビニのレジの時計が狂っていて見た目上は間に合ってるかもしれないとか都合のよいことを考えて走った。 パワーメータでも 100W を超えられない時間も長くなって、脚はもうヘロヘロっぽい。
で、コンビニで買い物したら 03:54 でタイムアウト。 制限は 03:32 だったのだ。 レジ前にある不要レシート入れにレシートがあるが、そんなの拾っても自分のためにならん。 ということで、リタイヤ決定。
本部に電話を入れ、 DNF (Do Not Finish) の連絡をした。 コンビニの前で一般客に近くの鉄道の駅の場所を聞いた。 自宅へ帰るにも 70km だから漕いで帰ったほうが早いかもしれない。 が、もうココロが折れた。
一番電車は 05:40 だ。 リタイヤは 04:00 ごろ連絡したわけで、ユックリと駅まで行った。
上信電鉄上信線の吉井駅へ行った。 写真がややボケている感じなのは、失意の当方の念が画像に影響したわけでなく、単にレンズが曇っていたからに他ならない。
ふやけた手はこんな感じになった。
電車を待つ間、できれば使いたくなかった輪行袋に自転車をパッキング。 CX900 はちょっと長いので袋には入らないことがわかった (笑)
吉井駅→高崎駅へ行き、 JR 高崎駅から八高線で東飯能駅へと向かった。 高崎駅へは 06:00 に到着したが、 360km を自転車で走行して、自転車を担いでいる当方にはエレベータを降りて 80m 以上先に停車している 06:04 発の列車に間に合うはずもなかった。 ユックリと 06:31 発の列車に乗った。
最初は寝ていたが、途中から寒くて目が醒めた。 多分エアコンは普通なんだろうけど、当方は濡れているので低い気温に低い湿度で、濡れたジャージで体温が奪われた。 今回のブルベでもっとも寒かったのは帰りの八高線の中だ (笑) しかも、自分でもわかったが、蒸れて、当方はとてもクサかった。 乗っている人が少なくてよかったよ。
ふと、県道 30 号線が八高線のそばを通っていることを思い出した。 席を立って、窓の外を見て目を凝らすと、見えた!一人見えた。 結構なペースで走っている。 あのスピードなら充分間に合うだろう。 安全にゴールできたことを願っている。
みえづらいが上の写真の真中、通路に黒いものが写っている。 そう、毛呂駅から乗り込んだ完走者の輪行袋だ。 高麗川駅で乗り換えたときに少し話したが、彼は爽やかな服を着ていた。 当方のようにクサい状態でないあたり、その辺も羨ましかった。
自宅帰着は午前 9 時ちょっと前。 完走できて間に合っていたとしてもたぶん同じ頃か、ちょっと早いかという感じだろう。 さっそくシャワーを浴びて、メシ食って、寝た。
記録はなし!ココロが痛い。…膝も痛い。いままでと違うのはケツ筋が疲労して痛いことだ。
ブルベスタートからリタイヤして最寄駅までの走行記録は以下の通り。
項目 | 内容 | 備考・他 |
---|---|---|
走行 | 362km | ミスコース分含む |
実走行時間 | 19:53:28 | 休憩や信号などで停止中は含まず。 |
平均走行速度 | 18.2km/h | 休憩や信号などで停止中は含まず。 |
期間中最高速度 | 67.1km/h | CX900 はよく転がる、が、測定誤差だろう |
ケツのとんがったところの筋肉が痛いのは後輪の大きなギアのおかげだろう。 モモの前とか腰とかではなくて、回転させて登ったことの証だと思う。
結局雨には降られて、雨中サイクリングは出来たが、雷さまは当日はどっか行ってしまわれたようだった。 ヤッケをカッパ代わりウィンドブレーカ代わりにして雨の中を走ることはこの季節に限っていえば、特に問題ない。 少々脱ぎ着が面倒なくらいだろうか…
24 時間後の状態で、だいぶよくなったが、 36 時間後には筋肉痛はあるものの日常生活に支障はない。 途中リタイヤということを別にして、多分肉体的ダメージはもっとも少ないと思われる。
48 時間後では筋肉痛はもうほとんどない。 ただ、 60 時間経ってもケツのとんがったところについては相変わらずストレッチをすると痛い。 どれくらいで治るのかなぁ。
ついにタイムアウトのブルベだ。失敗したと思うことを書いてみたい。 詳細は箇条書きの下に記述。
下りを別にして、平地を考えてみると、まぁまぁなペース 30km/h 巡航もできそうなときがある。 ましてや列車の中ならバッチリだ。 しかし、登りは全然ダメだ。 修行するほかないと思われる。
今回は当方の脚力が足りなかったということだ。 出直しをしないとだなーという感じなのである。 上り坂をそこそこにこなせる脚力がつけなくちゃイカンちゅうことだ。
リタイヤしたブルベだ。しかし成功したと思うこともある。
重くてダメだと止まったり、蛇行することもなかったと思う。 疲れて休憩は入れたが、漕ぐペダルが重すぎるという感じはなかった。
片手撮影をしたり、数打ちゃあたるだろ的撮影でなんとかなったと思う。
リタイヤしたブルベだ。課題を挙げて改良したい。
これに尽きると思う。 上り坂を登れるようになること、持久力をつけることが課題だろう。
自転車が入らないってのはどうにかならんかなー。 ちょっと考えたい。
終わった、次は 600km だ。(2010/07/06)
今回は、大変感謝している方々がいる。 まだまだ一人では走りきれるほどの力がないことがわかった。
思いつくところを追加してみたいと思う。 意見・感想も歓迎だ。
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