「自転車でダイエット」と称して、体脂肪を燃やし、体を軽くする計画をたてて、実行しているわけだが、いろいろ勉強すると新しい知見を得ることができる。 その中で、コンコーニテストを実施してみたときに、結果はともかく三本ローラー上での速度と必要パワーの関係について検証してみた。
コンコーニテストをしているうちに、三本ローラーと速度の比例関係についてを思い出した。 「ロードバイクの科学」という本に記述されていたことだ。 情報によると三本ローラーでタイヤの空気圧を 9kgf/cm^2 としたとき、 「公式: P(Watts) = 0.061 x 速度 x 重量 」 という目安になるという。
自分自身の出力を測定できる人はそうは多くない。 なぜなら、そういう装置が必要で、そういう装置を持っている人が少ないからだ。 この装置、面白そうだが導入するには勇気と金が要るのだ。 なぜって? そう、効果はともかく、高価なんだわさ。 自転車に金をかける人は多いが、測定装置というか周辺機器に金をかける人はそうはいない。
でも、こちらの方のように自分自身の出力を知りたい人はボチボチはいるようだ。
当方は原稿料が入ったので、この機を逃すと永遠に買えないということで、清水の舞台から飛び降りるキモチで Power Tap を導入した。 ま、 CX900 というサイクロクロスな 10 万円の自転車に、 20 万円超の Power Tap な後輪という経済的にはひどくアンバランスな自転車に乗っている。 しかし、今自分がどれだけマシなのか、ダメなのか、イケてるのかがわかり、この装置のおかげでブルベでは SR を自称できるようになった。 ブルベ詳しくは当方のチャレンジ( 2010 年 | 2011 年)をどうぞ。
当方は現時点では一時間連続出力 200W をちょっと超えるくらいのヘタレ脚だが、これでも導入当初の一年前は 160W くらいしかなかったわけで、成長したと思う。 「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」 という孫子の兵法だが、敵は「 4.3km で平均斜度 4.5% 」などと分かるし、実際にソコにいけばわかるが、己については装置で測定しない限りは自己の感覚を使うほかないのだが、体調や周辺環境によってこの感覚は大きくズレる。 よって、他人と比べる必要はないが、冷酷に数字として表現し、以前の自身よりもどれだけダメなのか、いいのか、マシなのかを客観的に評価することが可能になり、己を知ることが可能になるのだ。 すなわち、測定装置に金をかけるということは自分に金をかけることなのだ。
アレコレ書いたが、導入して一年、他人に薦められるか?と聞かれたら薦められない (笑) 理由は高いからだ。 当方は導入して、後悔もしてないし、満足しているし、順序としても適当だったと思う。 しかし、自分自身以外の他人が同じ価値観を持っているとは思わないので、安い自転車に Power Tap を導入がいいとはとても言えないわけだ。 ま、自転車への投資が一段落して、自身への投資を考えている人には悪くない選択肢だと思う。
当方が、ロードバイクに乗らずにサイクロクロスな CX900 に乗っているのには理由がある。 単純に金があまりないから買えないわけだ。(奇特な人がいないとも限らないので書いておくが、当方は身長 169cm で脚が短めだ、笑) 他にはいわゆるロードバイクといわれる自転車にのる資格がまだないようにも思える。 当方がいつかロードバイクに乗れるほどの出力を出せるようになったら資格を得たということで購入を検討始めるんだろうなぁ。 宝くじが当たるとか、当方の本(分かりやすいからオススメだよん♪)が爆発的に売れたとかで急に金がたっぷりあるようになったら、資格はともかくもロードバイクを買っちゃうかもしれない。 「男はチタン」な価値観の持ち主なので、チタンフレームに憧れがある。 Panasonic とか LiteSpeed とかのペイジを時々見てる。←さびしいヤツ
借り物の三本ローラーはある。 PowerTap という出力計はある。
追試してみないわけにいかないだろう。 ってなことで、試したのが表だ。 重量は、自転車の重量に加えて自分の体重や靴や服などローラーにのる重量全部だ。 空気圧は 9kgf/cm^2(128psi) だよん。
Power Tap data | 公式: P(W)=0.061x速度x重量 | |||
---|---|---|---|---|
Km/h | Watts | 計算パワー | 差 | 差比 |
21.02 | 91.0 | 89.9 | 1.09 | 1% |
22.22 | 94.5 | 95.0 | -0.52 | -1% |
24.06 | 102.6 | 102.9 | -0.30 | 0% |
26.19 | 111.3 | 112.0 | -0.73 | -1% |
28.18 | 120.9 | 120.5 | 0.42 | 0% |
30.20 | 129.9 | 129.1 | 0.80 | 1% |
32.07 | 139.6 | 137.2 | 2.48 | 2% |
34.07 | 149.4 | 145.7 | 3.74 | 3% |
35.64 | 157.8 | 152.4 | 5.40 | 3% |
37.76 | 169.8 | 161.5 | 8.37 | 5% |
39.77 | 178.9 | 170.1 | 8.81 | 5% |
41.70 | 189.0 | 178.3 | 10.74 | 6% |
43.97 | 201.7 | 188.0 | 13.72 | 7% |
45.84 | 215.1 | 196.0 | 19.10 | 9% |
48.24 | 228.5 | 206.3 | 22.20 | 10% |
50.65 | 243.1 | 216.6 | 26.50 | 11% |
52.63 | 254.0 | 225.0 | 28.93 | 11% |
54.37 | 265.9 | 232.5 | 33.44 | 13% |
左から PowerTap の実速度一分平均とその一分の出力平均。 そして、その速度に対する公式を当てはめた計算上の必要出力、実出力と計算出力の差、差の実計測値に対する比率だ。
なんと今回測定した範囲の 54.3km/h 相当でもっとも差が大きくて 13% しかない。 時速 40km/h 未満の値にいたっては 5% にも満たない。 これはスゴいと思った。 確かに目安になるぞ。
なお、測定はコンコーニテスト中の数値で、一分毎に 2km/h 増速させるという方法。 PowerTap のサンプルは 2 秒間隔なので一分間当たり 30 回の平均の速度と出力だ。 速度が大きくなったときの誤差が大きくなるのはペダリングがヘタだからとかそういう可能性もある。
自分と自転車の合計重量を測っておいて、空気圧が規定通りであれば、速度計をつけて現在の速度を測れば、現在の出力の大体の値がわかるって寸法だ。 っつうことで、三本ローラーを持っている人は試してみるといいかもだ。
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