2020 BRM111 神奈川 300km 鎌倉

BRM111 Audax Japan Kanagawa 300㎞ Kamakura in 2020, by SHIBATA Akira.
作成 2020/01/21

はじめに


目指せ SR (SuperRandonneur) 今年こそ!  昨年 2019 年は身体はそこそこに走れて SR を目指したのだが、スケジュールが合わなくて、 SR になれなかったという泣き言は一週間前に走ったブルべである BRM104 神奈川 200km 逗子の記事に書いた。 

そして、毎回「尻が痛い」と述べている通り、尻の痛みが最大の問題であるので、その解消を目的として、リカンベント自転車構築を行い、今年からリカンベント自転車でブルべに出走をもくろみ、 BRM104 神奈川 200km 逗子を走り切って、「尻が痛くねーぜ!」と感動した。  1,200㎞ だって走り切れちゃうかも!  と、強気な気分になっての 300㎞ 出走だ。 

前回でたメカトラブルであるフロントディレイラーのガイドがこすったりの原因となったところの、普通自転車のシートポストの下、シートチューブ?にフロントディレイラーを固定する部分が下にズレた件は自転車屋さんで改めて修正した。  それこそ 600㎞ とかの長距離の一番遠いところで発覚みたいなことにならなくてよかったとも言える。  まぁ、 100㎞ 先でわかったんだから、じゅうぶん遠いともいえる。  なんにせよ、 200㎞ は走り切れた。  次は 300㎞ だ! 

リカンベント自転車でも目指せ SR (SuperRandonneur) ! 

本番前夜まで

装備


今回も一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子の装備で走ってみる。  旧来の装備は、後輪のパワータップとそのロガー( Edge520J )、前輪のSHIMANO WH-RS81-C50-CLくらいだろうか。  前輪のハブの軸にライトを取り付けるなどの工夫もしている。  リカンベント自転車でのブルべ参加に関してのアレコレを記述していく予定だ。  参考になるところはもちろん、理由がわからなくても真似したいというところがあれば、自身のリスクを負う前提で好きにしてくれ。  もし、ちょっとしたことであっても当方に教えてやっても良いという広い心の持ち主がいたら、少しばかり知恵を授けてくれるとありがたい。 

リカンベント自転車を構築」するまで、当方はリカンベント自転車を目にしたことがなかった。  だから、いわゆる普通の自転車でのブルべのノウハウと想像で工夫しているが、リカンベント自転車の装備の常識もないことから、トンマなことをやっているだろうなぁとは思う。  が、試行錯誤していくので、いろいろモガいているのをみて、笑ってくれればそれはそれで試した甲斐もあるってもんだ。  まぁ、今回は新たな課題(後述)が浮かび上がったが、冒頭の写真のようなリカンベント自転車で出走した。  今後も装備を工夫していこうと思う。 

リカンベントでも SPD というビンディングペダルを使用している。  一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子でヒザが痛くなった原因の一つにクリートをはめるためにグリグリするという作業のダメージが大きそうに思った。  普通の自転車だと体重をかけるだけでカチっとくるんだけどね。  もっとも、 600㎞ などの長距離ブルべの最後の方では、カチっと来なくて足とペダルが離れて痛い目に遭ったことがあった。  そこで、ビンディングの把持力というのかな調整バネを弱いほうへ緩めてみた。 

ハンドル周り

ハンドル周りは下の写真を見てくれ。  見づらいが、クランクの間に斜めに立ち上がった棒にフロントディレイラーが設置されており、その上に丁字の棒をおったて、前照灯を設置した。  当初は Gentos の単三を六本使用する懐中電灯で最長 200 時間以上使える重いヤツだったがクランクと干渉したのでやめた。  ハンドルの上部右には Edge520J で、左側は速度計+距離計だ。  基本は Edge520J で運用だが、万一 Edge520J が使用できなくなったときのために、速度と距離の両方を計測している安いヤツを設置している。  Edge520J は下側で micro USB で外部電源接続をしているので、ビニール袋に入れてある。  また、両脚の間のハンドルポストに手前側に水のボトル、進行方向前方側にタイヤチューブを入れたツール缶を入れた。 


そして、前輪のハブの軸、クイックリリースの右側ナットをパイプ型のモノにして、ソコに吊り下げ型の前照灯を設置した。  こんなことを書いてはアレだが、日本ではあまり真っ暗な道は多くない。  だから、暗くても長時間点灯できることは法を順守することと、対向車が自転車を発見できるために点灯できれば良いので、明るい必要性はあまりない。  したがって、当方は暗くても長時間点灯できるものを使いたい。  そういうモノってあんまりないんだけどねー。 

シートとスポンジの間に 5cm ほどのスペーサを設置したのは、首の角度をラクにしたいからだ。  シートの後ろというか下に見える箱は本来ドロップハンドルの前側に設置するものなのだが、シートの後ろの埋め草の予定で、いつもブルべやツーリングに持参しているツール缶(予備チューブ、 CO2 ボンベ、ミッシングリンク、携帯工具予備のお金少々など)を放り込んだ。 


目立つのはハンドルについている青い大きな袋(ハンドルカバー)か。  この青い大きな袋はギアシフター(ラピッドファイア型)とブレーキが入っており、冷たい風があまり当たらず寒くないことを期待した。  そーいや、目的としゃしてはいないが、腕とスムーズにハンドルがつながるし、ブレーキやギアなど細かいモノがあるところがカバーかかって空気抵抗小さくなったりするかも? シートと後輪の間にある箱が本来ドロップハンドルの前に着けるモノなのだが、ソレに工具などを入れてみた。  容量には余裕がある。  ただ、ココに箱を置くと空気抵抗が生まれてそうな気がする。  位置については要再検討だ。 

ヘルメット

昨年の 600㎞ な日本海へいったブルべは寒かったが、雪などがあたって顔も痛かった。  リカンベント自転車に乗ると顔がほぼ正面を向くので、いわゆる普通の自転車の比でなく、顔に風があたる。  そこで、バイザーをつけて顔を覆うようにしてみた。  一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子でも、特に問題を感じずに走ることができたというか、顔は寒くなかった。  同じ装備で走ってみた。 


コース

コースはスタート地点の本覚寺参拝者専用の駐車場をでて、小田原→伊東→下賀茂で折り返して、→伊東→小田原→逗子へ帰ってくるという、往路は左手に相模湾、復路は右手に相模湾(正確には真鶴から南は相模灘というらしい)な 300㎞ で、ほぼ単純往復なルートだ。  おかげでキューシートも 50 行弱な複雑度の低いシートとなっている。 

コース図

走行について、机上の作戦

練習で往復 66㎞ ほどの道のりを数度走って、その結果をフィードバックして一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子の反省を生かして走りたい。  高い出力を出さずに 130W ~ 150W 程度見当で走れば良さそうと考えた。 

また、信号で毎回停止して、ペダルから足を降ろして、発進時にペダルへ足を上げるというコストが、いわゆる普通の自転車よりもはるかに大きいため、なるべく止まらない、なるべく足を降ろさないという方向を考えた。  リカンベント自転車は登りにチョー弱いわけだが、出力が足りないとか、降りて押さなくてはいけないような坂はないだろうから、とにかく走行を続けるということを念頭に走ろうと思った。  あ、なるべく止まらないというのは信号無視するのではなく、赤信号になりそうとかわかったり、前方が赤信号なら、あらかじめ速度を落として停車時間を最小にしようということだよ。 

また、低体温や脱水にも気をつけたい。  自転車乗りなら当たり前か。 


ブルべ当日

午前 2 時過ぎに起床したら、ヤカンにお湯を沸かし、最近のオヤクソクなカップ麺の焼きそば二つを食べた。  食べ終わったらシャワーを浴びて、自転車用の衣装を着て、最後の荷物(前日に自転車や主だった荷物は積んでおいた)を自動車に積んで、忘れ物がないことを確認して出発した。 

2020/01/11-5:15

出発は鎌倉だが、ゴールは逗子なので、自動車を逗子に置いて、鎌倉まで 5km 程度?軽ーくウォーミングアップがてら移動のために走っていたら、後ろからブルべライダーがやって来た。  どこから来たのかわからないが、帰りも同じ道を帰るのだろう、スゴイ体力だと思った。 

目標と結果

基本的には今回の目標は完走。  一週間前に通行止めなどのトラブルなどもあったりしたけど、 200㎞ を 11 時間程度で走れたので、あわよくば 15 時間切りできるといいかなーと思った。  時間ギリギリの 20 時間弱でもいいけど、翌日は勤務だしねぇ。  早く帰りたいね。 

ダイジェストとしては下のように出力が推移した。  出力はまぁまぁを維持しているが、小田原を過ぎてから心拍が全体的に落ちている感じだ。  たぶん信号が多くて十分に連続して漕ぐことができない感じかな。  信号が少ないともっといい感じで進めたのではないかと想像する。  写真で、だらだらと当方の感想をグラフの下に流してみよう。 

で、結果というと 14 時間 59 分でゴールだったよ(笑)  あわよくばの方も目標達成ともいえる♪ 

心拍と出力

スタート~ PC1

ブリーフィングが終わり、下の写真のように車検が始まった。  当方は走り出しも遅く、一緒にスタートしても迷惑をかけるので、車検はほぼ最後に受けた。 

2020/01/11-5:48

ほぼ最後尾からスタートしたわけが、それでも後からくるブルべライダーがいた。  信号ストップは避けたかった、といっても赤信号はあるわけで、仕方なく停止した。  足付きたくない病にかかったようなものかな。  私は、「上り坂で足付いたら死ぬ病」にかかってるわけではないので、過去のブルべで脚がダメだーと思ったときはあまり頑張らないですぐに押したのだったが、この自転車で足を付くと鼠蹊部が疲れることが一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子でわかっているので、なるべく止まらず、足をつかないようにしたいと思った。 

2020/01/11-6:09

気温は馬入川(相模川)を越えるとき、表示温度は一週間前の 4 ℃よりは少し高くて、 6 ℃を示していた。  比較的平らなうちに、進めるだけ進んでおきたいと考えた。 

2020/01/11-6:50

ほぼ最後尾からとはいえ小田原まではキツい傾斜も少ないし、今回はキューシート通りに走ってるため、ブルべライダーをまったく見かけないという走行時間は少なかった。 

2020/01/11-7:10

2020/01/11-7:19

手前に時々写っている青い丸い部品はベル(チーンって鳴るアレ)で、リカンベント自転車で撮影していると、ハンドルと共によく写ることがわかってきた。  自転車のフレーム(当方の乗っているリカンベント自転車の一直線で棒なフレーム)とお揃いの青にしたんだな♪ 

2020/01/11-7:45

2020/01/11-7:53

小田原の市街地を抜けたら海岸沿いの道だ。  固まって走っていた複数の自転車がいた。  まだ平地がちだったので、ちょっとガンバって抜いた。 

2020/01/11-7:53

2020/01/11-7:53

抜くときに「リカンベントさん」という声が聞こえた。  当方にそんな愛称がつくとは!  中二風にいうと二つ名だな(笑)  自転車のメーカー名とかで呼ばれてる人が web で散見されるが、あれは自称がそうなったのか、はたまた珍しいメーカーだからなのか。  当方の場合はこの近辺に別のリカンベント乗りが出たときに、その人がどう呼ばれるかで状況が変わるかな。  変わった形をしているから、悪いことはできんノゥ。 

2020/01/11-7:54

下は、当方が区別できるタダ一人のブルべライダーで、一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子で見かけた、下ハン巡行の人だ。  だいたいペースが同じくらいだから、よく遭遇して、たくさん写真に写る。  今回最初の遭遇だ。 

2020/01/11-7:55

ってなことで、約二時間で 47km を走って PC1 に到着した。 

2020/01/11-8:01

PC1 ~ PC2

ココからはアップダウンの多い区間だ。  また、 PC2 は苦情が出たらしいコンビニとのことだ。  いい場所にあるから、見る目も厳しいだろう。  そこで、その先のセブンイレブンでも可ということになったので、 アクセスを分散させるために、正規 PC2 のローソンを避けて、その先のセブンイレブンを目指した。 

2020/01/11-8:03

だいたい 130W ~ 150W 見当で走ってきているので、使っているエネルギーもいわゆる普通の自転車よりも少ない感じがする。  そこで、過去の経験で 50㎞ あたり 1000kcal に対して、おにぎり 2 個とコーラで、合計 700kcal くらいに近い程度摂っていれば、ゴールまでは間に合うだろうという計算で、食べてみた。 

2020/01/11-8:23

2020/01/11-8:25

だいたい同じペースで走っている人が周りにいるので、何度も同じ人が写ってそうだ。  まぁ、当方の見た風景ということで、写っていたらラッキーかもしれない。  都合悪かったら連絡をくれ。  なるべく希望に沿って削除などの手配をしたいと思う。 

2020/01/11-8:45

2020/01/11-8:46

一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子の出走者とかなりカブっているらしい話がブリーフィングの時にあった。  下の写真の方もいたような気がする。  というか写真に写ってね?  同じジャージなだけかもしれないがね。 

2020/01/11-8:51

2020/01/11-8:57

PC1 のトイレ前に人がおおかったので、公衆トイレまでガマンしてここまで来た。  PC1 のすぐ手前に一か所トイレがあるが、それを過ぎれば一時間くらい漕がないとないともいえる。  この辺からちょくちょく公衆トイレがあるので、ここまでガマンできればわりと安心だ。 

2020/01/11-9:02

2020/01/11-9:02

2020/01/11-9:04

2020/01/11-9:05

登りでトンネルが多いとふらつくわけで、そこを海側に迂回できる道があるのはある意味ラッキーと言える。  帰りは、下りなのでトンネルを通過して帰るので往路だけ通る道だ。  晴れてると景色がいいのだけど、今回は曇っていて今一つだったかな。 

2020/01/11-9:10

2020/01/11-9:17

2020/01/11-9:18

今日は人は外にいなかったが、自転車が停まっているので、寄っているブルべライダーが何人かいたんじゃないかな。 

2020/01/11-9:20

気づいたのはいるか浜からの登り坂を登り切ったところのスタートから 90㎞ 付近だったろうか。  息を大きく吸うと左胸が痛いことに気づいた。  最初は心臓の問題かと思ったが、大きく息を吸わなければ痛くない。  この感覚は覚えている。  そう、 2014 年の BRM914 あおば 200km 伊豆だ。  湘南台出発・ゴールのブルべで、当時は脚の出力も余裕ができていて、 400㎞ くらいまではトータルで 20km/h は余裕だと思っていたころだな。  まぁ、ソのブルべで道の真ん中を走ってきたトラックをよけて道路わきに積んである石の山に突っ込んで、投げ出されて肋骨を折った(まぁヒビ程度だろうが)ときに、浅い息なら痛くなくて、大きく息をすると痛いという現象があった。  今回のもおそらく肋骨にヒビが入ったか。  なんだろう? 朝、思いっきりくしゃみしたせいか、リカンベントで走ると肋骨に応力がかかって破損したか。  ま、とにかく浅い息で 200㎞ ほど走ったのだった。  なお、ブルべゴール後の夜は痛くて眠れず、鎮痛剤を飲んだ。 

2020/01/11-9:30

今回はいるか浜からのキッツい 1km の登りは、インナーロー(前 26T x 後 34T )という、ギア比 0.765 というこのためにフレームだけ買って日本で組んだ組み合わせを使ってみた。  まぁ、ミドルロー(前 36T x 後 34T )より軽いんだが、いるか浜の坂レベルだったら、一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子で前 36T の組み合わせでも登れちゃったしな、余裕があることがわかった。 

2020/01/11-9:56

下の写真はいわゆる正規 PC2 だ。  自転車乗りが何人か写っていて、おそらくブルべライダーが何人かいるだろう。  当方は分散を目指してこの先 5 分くらいのところにあるセブンイレブンに向かった。 

2020/01/11-10:42

PC2 ~ PC3

引き続きアップダウンが続くが、折り返し地である PC3 の近くになると少しアップダウンが穏やかで標高差も小さくなるので、スコーシ楽になるかな。  経験上、正午頃からブルべライダーとすれ違い始めるので、その辺も撮影したいなと思った。 

2020/01/11-10:48

PC1 と同じく、コーラとおにぎり 2 個。 

2020/01/11-11:08

2020/01/11-11:10

PC3 に近づくとアップダウンが減るとはいっても、上の写真のように海面近くを走り、 30 分もしないうちに下の写真のような高さを走り、さらにその下のようにまた海面近くを走るわけで、伊豆半島っちゃぁアップダウンの多いところなのだ。 

2020/01/11-11:35

2020/01/11-11:57

そして、下の写真のように予想通り復路を走るブルべライダーとすれ違い始めた。 

2020/01/11-12:02

下は下ハン巡行の方だ。  だいたい同じくらいのペースなので、頻繁に写ってるな。 

2020/01/11-12:16

また、降っているというほどじゃないが、昼過ぎからポツポツと雨粒が落ちてきていた。 

2020/01/11-12:48

2020/01/11-12:49

路面が濡れていること、レンズ前に水滴がついていることから、若干の雨模様ということがわかるだろう。  が、当方はバイザーを使っているので顔にも水滴があたらず、バイザーに水滴がついているのを見なければ雨もよくわらなかっただろう。 

2020/01/11-12:50

2020/01/11-12:56

2020/01/11-12:58

2020/01/11-13:03

PC3 に近づくにしたがって、急速に青空が広がり晴れになった。  スタートから 7 時間余りで約 150㎞ の PC3 に到着した。 

2020/01/11-13:04

PC3 ~ PC4

折り返しを過ぎればあとは帰るだけだ。  アップダウンの多い区間はあと 100㎞ だけということで、だいぶ気がラクになった。 

2020/01/11-13:09

そして、同じようにコーラとおにぎり 2 個(笑) 

2020/01/11-13:30

うーん、慣れないせいで自分的にはうまくシャッター切っても、真ん中に来ない。 

2020/01/11-13:34

赤信号で停車中に隣に来た自動車の助手席のご婦人から声をかけらた。 
「今日はたくさん自転車がいるけど、何かイベントあるの?」
「ブルべというイベントで鎌倉から相模湾沿いを下田まで行って、逗子まで帰るんです」
「ブルべというのね、後で調べてみるわ、逗子!何時ごろに着くの?」
「今のペースだと夜九時過ぎくらいじゃないですかね」
「あら、あなたの自転車、下田あたりで見かけたような気がするわ」
「あ、そうっすか、ちょっと変わった自転車なんで……」
「気をつけてガンバってね」
と青信号になって、自動車が発進してお別れとなったが、やはりこの自転車に乗ってるときに悪いことはできぬ。  自転車に詳しくない方でも記憶に残っちゃう恐れが高い。  邪悪な心を持つ当方は悪いことをする可能性が高いので、清い行いをするよう心に誓った(笑) 

2020/01/11-13:37

どの辺で気づいたか覚えていないが折り返しを過ぎていたのは間違いない。  今までにない違和感が尻や腰に出始めた。  尻は尾てい骨の周り、腰は尾てい骨の周りから 20cm くらい上のベルトを通すとちょうど当たる辺りだ。  足をつきたくない病にかかっていた当方は、赤信号ではシートに深く座ったまま足を歩道の高いところに置くことにしてなるべく路面まで足を降ろさないようにしていた。  足を路面に降ろすと背中というか腰をシートから浮かすことになったが、シートにふんぞり返ったままを維持していた。 

2020/01/11-13:56

想像だが、いくらシートが大きくて柔らかいからといって、当方のような虚弱な者が、十時間も座りっぱなしなら、そりゃ痛くなるだろうということだ。  尾てい骨はおそらく座っているから。  腰はペダルを漕ぐために足を前に蹴りだす反力がつたわって、シートとの間で圧力がかかったりしていたのではないかと。  いわゆる 2019 年末に発症した腰痛は、パワーを出しすぎて出たもので、腸腰筋や殿筋等が肉離れを起こしたせいだろうとは思っていて、でもリカンベント自転車では腰痛は感じていなかったので、位置は近くとも関係ないと思われた。 

2020/01/11-13:57

下の写真はおそらく最後尾のブルべライダーではないかと思う。  時間的にもぴったり間に合いそうだ。  当方のように進行速度が一定しないヤツは余裕を持っておかないとタイムアウトしそうでおっかないわ。 

2020/01/11-14:17

そして、何度目の遭遇かわからないが、下ハン巡行のブルべライダーだ。  そうか、ちゃんと考えていなかったが、ゴールもおそらく同じくらいなハズだろうな。 

2020/01/11-14:51

出発から 10 時間弱で、約 198㎞ の PC4 に到着だ。  朝の正規 PC2 でもある。  朝はまだバラけてないから集中しそうだと思ったが、このころになると PC についても 2,3 人しかブルべライダーはいないから、迷惑もかかりにくいだろう。 

2020/01/11-15:44

PC4 ~ PC5

ここまでくれば、坂が多いのもあと 50㎞ で、 PC5 を過ぎれば平地がちという希望をもとに影の方向に進むのだった。  ちょっと冷えてきて、ココでウィンドブレーカを着込む人もいるようだった。  当方の場合は、あまり寒くなかったのでウィンドブレーカは当面不要そうと感じていた。 

2020/01/11-15:51

そろそろコーラは終わりにして、なんとなくのどの渇きを覚えたので、ポカリスエット 900ml を飲んだ。  ボトルの水は残っていて買うほどじゃなかったし、ということで脱水を避けるためにスポーツドリンク、しかも 900ml とか、ちょっと多すぎかなーと思ったが、普通に問題なく飲めたので、自分でもビックリだ。 

2020/01/11-16:18

そして、下ハン巡行の人だ。  まるで当方が下ハン巡行のひとをストーキングしているみたいじゃないか。  とも思うが、どちらが引くでもなく、早いところが違うので、互いに前後を行ったり来たりだったのだ。 

上の写真の女性ライダーは上のどれかに写っている人かもしれない。  最後のそこそこに明るい時間帯の写真だ。 

2020/01/11-16:42

出発から 12 時間と 17 分、約 250㎞ の PC5 な真鶴駅に到着した。  運営の「切符を買え」という指示で、そこにいたライダーによると入場券が一番安いと聞いて、入場券を買った。 

2020/01/11-18:17

PC5 ~ Goal

あとは平地~とか思いつつも、それなりにアップダウンがあって、信号も多く、結構キツい区間だ。  振り返りにパワーのグラフをみてわかる通り、出力がない時間も結構ある。  つまり、信号が多くて減速や停止が結構あるのだ。  信号がなければいいペースで進めるのに~ と、悪態をついても仕方ないが、こういう信号が多いところは消耗が大きいのだ。  ここで、精神的にダメになっていた時に、早いライダー二人が現れて、その二人について行こうとガンバって結果 15 時間を切ることができた。  この二人のライダーに感謝だ。 

2020/01/11-19:17

いつだったか、一月のブルべでお祭りに遭遇したことがあったな。  今回も山車(ダシ)が出ていた。  こういうイベントに自転車で遭遇できるとちょっとうれしい。 

2020/01/11-20:00

ブレブレだけど、上の写真の二人に抜かれて、折れていた心が復活した。  この二人について行って 15 時間切りができたのだ。  前にでて、引こうと思ったのだけど、信号が多くて、結局引くことができなかった。 

2020/01/11-20:35

途中、ちょっと渋滞してるなーと思ったら、赤色灯を焚いているパトカーが出ていた。  事故か何かだったのだろうか。 

2020/01/11-20:57

そんなこんなで、ゴールにたどり着き、レシートの時刻がゴール時刻となるわけだ。  見ると 20:59 だった。 

2020/01/11-21:10

その後

当日

ゴールのマクドナルドを辞して、駐車場に向かった。  寒いっ!  食餌の量が少なかったか。  「ガンバれ、オレの身体」とばかりにガタガタ震えながら駐車場まで走行し、駐車場に積んだ。  自転車を自動車に積んだり、着替えたりしているときにブルべライダーが何人か駐車場わきを通過していった。 

左胸が痛く浅い息で、 2019 年末から痛い腰をかばいながら身体へのダメージを確認しつつ、着替えた。  運転席に座ってエンジンをかけ、海岸沿いの道に出て西進を始め辻堂方面へと向かった。  途中ブルべライダーと何人かすれ違った。  こうしてみると、ブルべライダーって早いなーとか思っちゃったりしたわ。  同時に自動車ってラクだわともね。 

身体へのダメージだが、もともと痛かった腰は、あまりいいほうにも悪いほうにも変わらなかった。  一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子で痛くなった膝のお皿は今回はほとんど痛くならなかった。  また、モモの前面と鼠蹊部が腫れているような、筋肉のパンプアップとでもいうのか、筋肉痛みたいなのもほぼなかった。  とりあえず、一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子でわかった問題点は、おおむね改善できたといえる。 

反対に新たな懸案事項がでた。  一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子では「尻は、ノーダメージだった」が、今回は尾てい骨の周りとそこから 20cm くらい上の腰のあたりの肌と内部にややダメージがあった。  当方は事務職だが、椅子の背を倒してふんぞり返って座っているので、リカンベント自転車の姿勢に似ている。  そう、同じところが痛くなる。  というか仕事で二時間とか同じ姿勢してれば尻だって痺れるわ。  またしても、尻とお肌の問題が!

アバラの痛みは寝られないほどというか、横になると痛いんだな。  鎮痛剤を飲んで、座って寝たわ。  なお、翌日出社して会社の薬箱から鎮痛剤をくすねて、三日ほど飲んだかな。  痛くなくなるまで二週間を要した。  ちなみに肋骨をヤってることを同僚に知られると、笑わされる(笑ったり、咳とかくしゃみとかで痛いんだよ)ので、くしゃみして息が止まるなどの状況を極力見せないようにした(笑)

翌日

お仕事で、駅まで歩き、普段は全部階段で地下から 10 階まで上がるのだが、エレベータとエスカレータを使って通勤した。  脚は疲労ということで、ラクをした。  腰は三週間前から痛くなっていて改善はしているものの、よい状態とはいえなかった。  腰が痛くてもリカンベント自転車なら 300㎞ も走り切れることがわかった。 

考察

体調

一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子と比較(左のグラフが今回で、右が前回)してみると、 Z2 と Z3 の割合が逆転したので、やや心拍は上げて走れたかなという感じだ。  出力はというと出力停止(下りなどで惰行中に脚を停めてるとか、赤信号で停車とか)や、ぬるく漕いでる時間である Z1 が、一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子で 59% だったところが、 49% になっている。  これは、 Z1 の時間が、 11 時間走ってそのうち 6 時間半だったが、足をつきたくない病で 15 時間(四時間多く)走って 7 時間半と 1 時間しか増えていないことを意味する。  たぶん、効率が上がったと考えていいだろう。  おかげで、ヒザやモモの前側は疲労はしたもののほぼ痛くない状態と言えた。 

心拍と出力
今回のブルべ一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子

ヒザガシラが痛いのは、ブルべ参加し始めた頃によくなっていた。  一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子でも発生した原因の一つにクリートをカチっとハメるときに硬くてグリグリしているのもありそうだったので、今回はペダルの把持力を少し落としてみたら、痛くならなくなった。  が、振動で足がペダルから外れたことがあったので、把持力はもうちょっと強くてもいいかな。 

尻のダメージ

一週間前に走った BRM104 神奈川 200km 逗子を走って、 1,200km も走れそうな手ごたえというか脚ごたえというか、尻ごたえがあった。  しかし、尾てい骨の周りや、腰が蒸れたような痺れたような違和感がでてきていたので、早晩これはズレ(靴擦れとかそういうの)で、よくないことに発展しそうだ。 

要するに、シートが大きいのに体重などの力が分散していないことが原因と考えられる。  シートをなるべく立てて、さらにスペーサをつけて身体をおこしているのだから、当たり前といえば、その通りだ。  よって、より寝た状態( more recumbent )を作るということで、まさにリカンベント自転車の特性を強めることに他ならない。  慣れてきたから、おそらく乗車技術は問題ないだろうと思う。  問題は頭だ。  当方のようなスカポンタンでも、一応頭部には何かが詰まっていて、おそらくソの重量は 6kg とかあるだろう。  シートにスペーサをつけて身体を起こしていたが、身体が寝ると頭を起こしておくのがつらい。 

そんなわけで、当初不要だと考えたところのヘッドレストを設置することにしようと思う。  長距離になると、マクラがあると寝るかなーと思っていたんだよね。  でも、そうじゃなくて顔を前に向けるためにヘッドレストが必要であることがわかり、導入することを決心した。  おそらく当方のテストコース(別称:墓参り)で練習をして、次回以降のブルべ(まだ決定していない)で投入ということになるだろう。  効果について知りたければ、次回以降の報告を読んでほしい。 


最後に

  Audux Japan 神奈川の方々、サポートのメンバー、各出走者には感謝している。  この場で感謝の意を表したい。 

ということで、新たな課題も見つかったが、長距離をダメージ少なく走り切れるリカンベント自転車でどこまでいけるだろう? のこる 400㎞ 、 600㎞ を走ってリカンベントで SR を名乗れるようになりたいな。  質問・意見・感想も歓迎だ。 


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