♪おかーをこーえ、ゆこーよー、くちーぶえーふきつーつー(イギリス民謡、訳詩:萩原英一) こんなキモチで走れたらいいなー←独り言
去る 2009 年 7 月に CX900 に乗り始めて、一年経たずにブルベに参加を始めた。 一応 SR (SuperRandonneur) という、 200km,300km,400km,600km を制限時間内に走りきった人の称号を当方も自称できるようになった。
しかし、 SR になれた記念のメダルを申請忘れで購入することができなかったので、とっても残念だった。 だから、ブルベは引退しようと思っていた(笑)のに今年こそは SR 記念メダルを入手したいと再び SR を目指すことにした。
今回のブルベ「九十九里」は当方にとって初めてのアタックがつかないブルベだ。 しかもアタック宇都宮に続いての平地ブルベだ。 アタック宇都宮の時には、向かい風と脚を休められない道程という平地のつらさをしっかり味わった。 今回はアタック宇都宮の反省を生かした平地ブルベの走りができるか?それが課題だった。
今回は初めて「 24 時間以内完走」という目標を立てた! おおースゲーぜっ!ドンドンドンドン←太鼓の音。 理由は二つ、平地ブルベであることと「今年のオレは昨年のオレとは一味違うぜ」であること。
昨年走った三本の 400km ブルベは、一本はタイムアウト DNF だったが、残りの二本は 25 時間 18 分完走と 25 時間 02 分で完走という結果だった。 ずっとタイムアウトの恐怖と戦うブルベなわけだが、理由は当方のトルクの少ない脚が上り坂には激弱なことに尽きる。 まぁ、自転車が重いってのは言い訳だが、この自転車しか持ってないんだから仕方がない。 インターマックス号は大先輩に返しちゃったからね、というかアタック日本海のときに貸してくれただけなのだ。 それも 2010 年 7 月のツーリングでご一緒してくれたときの当方のあまりのヘロヘロ振りを見かねて、日本海に行くなら試して見?ってな感じで貸してくれたのだった。 当然インターマックス号はチョー軽くて、タイヤもほっそい 23c だから、そりゃー高速巡航バッチリだったわけさ。 まぁ、 CX900 のタイヤが 32c で太いという言い方もあるが…
とにかく、平地だからして加減速以外には重量はあまり関係ないとして、上り坂がほとんどない平地ブルベなら、上り坂がイッパイあったブルベで 25 時間ちょっとで走りきれた当方は 24 時間を切れるんじゃないか?そう思ってもバチは当たるまい、そう考えたわけだ。 100km あたり 6 時間で走ればいいんだよ、口でいうのは簡単だ。 そう、うまくいくモンかとは思うが、 600km を走りきれたときは 36 時間を切っているのだから、無理じゃないハズ。
今年のオレは昨年のオレとは一味違うのはブルベの一週間前に鶴峠(脚が「攣る峠」とも、笑)にご一緒して、大先輩に「一年前とは別人 28 号」と評価してもらえたということが自信につながってもいる。 そして、それが 24 時間切りの目標にいたるわけだ。
対策・装備について記述する。結果は後述。
平地は基本的に空気抵抗や転がり抵抗が問題になるのであって、上り坂に見られる重力による登攀抵抗はないと考えてよいだろう。 まぁオダックス埼玉の平地の基準が当方の平地と一致するとは限らんが…(笑) 当方の CX900 の重量はそれほど問題にはならないと考えられる。 しかし、タイヤとホイールについては一考の余地がある。 32c という太いタイヤは、転がり抵抗はそこそこ低いが、空気抵抗が大きい。 ただ、空気抵抗を考えるならライダーの空気抵抗を低減するほうが先だろう。
ライダーとして空気抵抗を低減するなら、なるべく伏せこんで風が当たらないようにすべきという考えだ。 漕がない状態では下り坂で思いっきり伏せこんで低い体勢を作ることができる。 ところが漕いでいるときには脚を動かさなくてはならないのでどうしたものか? ここで思いされるのが、 1993 年ごろに新聞で見かけたフライング・スコッツマンことグレアム・オブリーのタックポジションだ。
以前、羽村市にある某社に勤務していたころ、ママチャリで通勤していた。 ママチャリは当然ながらフルノーマルで、空気抵抗が大きかった。 しかし、空気抵抗が大きいのは前面投影面積が広いからに他ならず、上述した新聞で見かけたタックポジションだと上半身の分の空気抵抗が減るはず、そう考えて帰宅時にポジションの研究をした。 ママチャリのブレーキを握れるところに手を置いて伏せこむと腕立て伏せでひじを外に広げた感じになりイマイチだった。 そのうち、ブレーキがどこで必要かわかったため、ペダルを思いっきり踏み込むところでは、ハンドルステムに小指側が当たるようにハンドルを下から持つ(手の甲を地面と平行にした)スタイルにしてみた。 これは思いのほか効いた。 つまり、上半身の筋肉が使えたのだ、右脚で踏み込むときには右腕の上腕二頭筋でひじが伸びないようにしつつ腹筋もつかって自転車に全部の力を込められた。 これがハンドルの端っこを持っていれば右腕に力を込めて引っ張ると当然前輪は右に切れ、結果車体は右へいきつつ、左側へ倒れてよれることになるが、ハンドルステムのそばならテコの支点に近いわけで強力に引っ張ってもハンドルの切れは小さく、自転車が左右によれる原因は重心の問題だけになった。 空気抵抗が小さく、ペダルに力を込められるこの乗り方で早くならないハズがなかった。 最初は 40 分以上かかっていた道のりが、最後は 20 分を切るほどになった。 (今 Google マップで見ると全行程 11.6km もあるぞ、平均時速 30km を超えているな、まったくキチガイのようだ (笑)
と、まぁ思い出話はこれくらいにして、今はドロップハンドルだ。 しかも、ブルベという長丁場の中であんまりムチャな乗り方はできない。 ということで考え付いたのがハンドルの上でひじをつくという方法だ。 また古い話だが、当方が以前オートバイで長距離ツーリングをしていたころ、かったるくなると頬杖よろしくタンクの上にひじをついたり、さらにはその手であごを支えたこともあった。 要するに上半身をひじをついて支えるという方法だ。 自転車のハンドルはオートバイのタンクのように面積が広いわけではないので、ひじをつくというよりも、脚でいうスネの部分、ひじのちょっと先の辺りをハンドルに載せることで上半身の重量をハンドルに逃がすことができることがわかった。 欠点(上半身の腕力が使えない、クイックなハンドリングができない、ブレーキが掛けられない、大きな穴などの衝撃に弱い)を知った上で、重心の移動で走行進路を調整し、空気抵抗低減を目的とした走行ができるように時々練習で実験した。
装備表を別に作成したので、それに準じて装備した。
すなわち、最小限の装備で軽量化を目指し、あればよいレベルの輪行袋以外は全部装備した。 それでもかなり軽量化できたと思う。
もしパンクしても、ささっとタイヤ外してチューブ変えればいいハズだからその関係の装備は空気入れだけでいいハズ。
今回は事前にちょっとしたトラブルがあったが、概ねうまくいったことと思う。
パワータップのロガーで心拍が測れなくなった。 ロガーの故障なのか? ハートレートセンサの故障なのか? 当方の心臓の故障なのか? むろん、最後のパターンで当方が活動していたとしたら、それはとりもなおさず「ゾンビになった」ということを意味するわけだ。 ということで、購入した自転車屋さんに「当方のゾンビ疑惑」を晴らしに持っていって確認したが、どうやらロガーとハートレートセンサの両方がおかしいようだった。 よって、修理に出した。 ただ、修理が間に合わなくてパワー計測ができないことを想定してどの回転域で漕いだら良いかを考えてみた。
上の図は回転数(rpm)と出力(W)の相関を見るために作成した散布図だ。 縦軸が回転で、横軸が出力だ。 左が昨年 6 月のブルベ、右が今年の 2 月のブルベのデータだ。 まず見てわかるのは全般的に右のほうがやや上に点が集まっていてだいたい 60rpm 〜 110rpm に多いように見える。 また、高出力を出している回転域は左が 100rpm ± 10rpm くらい、右が 100rpm ± 40rpm くらいかと思う。 ここからいえることは、全体的に高回転というか低回転を使わず、パワーバンドが広がったと見ていいと思う。 また、左の図から 250W を超える出力の状態は、右の図の 300W を超える出力を出している状態よりも少ないわけで、全体的に高出力になっているとも解釈できる。 いずれにせよ、パワータップのロガーが返ってこなかったときには 90rpm 〜 100rpm あたりをキープできるように努力するというのは悪くない考えに思う。
一応フロアポンプを持っていくが、前日に空気をタイヤに入れておこうと空気を入れた。 タイヤには 95psi にしろと刻印されている。 平地をラクに走るために路面抵抗を抑えようとちょいと固めを考え 100psi まで空気を入れた。 そこまでは良かったが、なーんとバルブから空気入れのコネクタ?を外そうとしたらバルブの金属部分が丸ごと抜けた! ポンッ、シューという音で一巻の終わり。 なんだかなーということで、パンク対策用に持っていたチューブに交換した。 すると、一本しかもって行かないつもりの予備チューブがもうない。 ということで、自転車さんに買いに行った。 まぁ、在庫はあったので事なきを得たし、パワータップのロガーとハートレートセンサが返ってきていたのでソレを受け取れるといういいこともあった。 結果オーライとしよう。
下の図のように走るわけだ。 平地ブルベ、前回(アタック宇都宮)比でどれくらいラクなのか、どれくらいダメージ少なく、どれくらい考えた通りに走れるか?そんなことを考えた。
理想は、ゴール後に「あーいい汗かいたな、すぐスタートできるよ」といえるくらい♪
「それなりにツラかったけどダメージ最小」のブルベだった。
完走できた… 18 時間 20 分くらいで、目標よりも五時間以上も早く帰ってこられたよ。 途中暑かったり、寒かったり、向かい風にハラを立ててみたりだったが上り坂がないだけでこんなにも違うのかと驚いた。 その辺のグダグダは下に記述する。
下記のグダグダをまとめてみたのが下の図だ。 参考にどうぞ。
最近は繊細になったせいか、前日の夜は遠足の前のようになかなか眠りにつけないことが多い。 そこで、ダウナー系のヤクを試してみることにした。 といっても、酒なんだが… アルコールは脳細胞を麻痺させる薬効があるわけで、酒に弱い当方は経済的にもちょっと飲めばそれでよいということでジュースみたいなヤツを一缶買ってきた。 いつも寝るために飲むようになると不眠になったり、アルコール依存になったりするが、今日くらいはいいだろう。 また、飲みすぎると脱水が進むのでたくさん飲んでもダメだ。
朝食はいつものごとくカップ麺なやきそば。 ハラへっていたので、がっついていて、食べ始めるときに写真撮ることを思い出し、体裁を整え撮影した。
自宅からスタート地点である川口の神根公園までは 50km は自走で向かう気がしないので、自動車で行った。 昨年の 4 月のブルベ「BRM417 埼玉 400 アタック日光 & ビーフ」は雪が降って寒い思いをしたので、その反省もある。 起床 03:00 、朝食 03:25 、シャワー 03:40 、装備最終チェックして出発 04:00 ってな感じだ。 実際には 03:55 くらいに出発した。 明け方は雨の予報があったが、降らなさそうだった。
2011/04/16-07:35 ブリーフィングの様子、風なし、曇り今回はスタートを 08:00 (前半) とした。 明るい時間を長くしたいというキモチだった。
スタートしてすぐに、道のりあわせの折り返しがあって、そこで折り返すと後続のライダーとすれ違って、理由はわからないけどうれしかった。
身体が温まるまで、ゆっくり漕いでいるとそのうち列車がやってきて、当方をぶち抜くだろう。 そしたら飛び乗ればいい、そんなことを考えてチェックを早めに受けて、早めにスタートした。 てぐすね引いて待っているところへやってきた列車に飛び乗ったわけだが、その中の一人に「ホームページ作ってますよね」と! バレとる(笑) もちろんウソつく理由もなく、「えぇ、一応」と応えた。 次からはもう少し自己主張の少ない衣装にするか?(ってコスプレ?←ここ突っ込むところ) 当方は小心者なので、うれしかった反面、ビックリだった。
2011/04/16-08:14 最初に飛び乗った列車この最初に飛び乗った列車は段々とバラけた。 当方が見てきたなかでは、たいてい列車は PC で編成が組みなおされたり、新しい列車が追いついてくるとメンバーが入れ替わったりする。 あるいは中切れして二つに分かれるなどが多いが、この列車はなんとなーくだんだんと車間が広がって、それぞれがソロライダーになった感じに見えた。
2011/04/16-08:53 そのうち列車がバラけてくる (クリックで写真拡大)身体が温まって、いい感じに脚が回るようになってきた。 利根川の土手道に上がり、桜を見ながら先行の三人の列車に乗りたいと後ろから追った。 そう、この区間は風は強いが約 5km ほど信号のない区間だ。 当方のようにトルクの少ない脚にはスタート時の加速というコストはバカにできないわけで、加速が鈍い当方の脚には多大な影響がでるのだ。 しかし信号がないならじわじわと追いつけるのではないかと期待して、脚を回した。 ただ、後述するが出力測定データをみるとこの辺で最高出力を出していて、依然としてバカな漕ぎ方というか、衝動的な乗り方をしているとわかった。
2011/04/16-09:10 利根川の土手道、先のほうに先行する三人が見える (クリックで写真拡大)もうね、バカかアホかと… この利根川土手に上がるころ、スタートから一時間 10 分くらいだろうか、下の表のように今回のブルベにおいてのピークパワーがその辺からスタートしている。 例えば 20 分平均 202W なんぞはスタートから 1:17:59 後なワケで、まったくそり引き犬みたいだ。 後から我に返って、向かい風でも踏ん張らなくなったけどさ。 コレがなかったら、最後の方がもっとラクだったかもと思った。
バラけた列車の中のお一方、下の写真の方は当方にとっての今回の規定出力である 150W チョイ増しくらいで何とかついていける感じだったので、バラけた先頭についていくのはやめてこの方の後ろにガンバってへばりついていった。 そう、コバンザメというよりは食らいついた寄生虫のようにね。 ご本人曰く、「自分のペースで走っているのでムラがある」とかだったそうだけど、後ろにつかせてもらえるだけでもありがたかった。 このころになると日差しが強くて暑くなっていた。 当方は寒いことを予想して、低温用ジャージだったので汗がダラダラとたれていた。
2011/04/16-10:11 なんとか憑いていけそうな方に食らいつくPC1 に着くと水分補給で食べる間もなく、付いていけそうな方が出るのを見かけた。 大急ぎで、写真を撮って、ボトルに飲み物を詰めて、あまりを喉に流し込んで、パンは背中のポケットに詰め込んで PC1 を出発した。
2011/04/16-11:01F1 ピット作戦をとるまでもなくターゲットとなる方に追いつくために急いで PC1 を出たわけだが、見えるんだけど遠いんだな。 なかなか追いつかなかったさ。 でも、 20 分くらいかけて追いついて後ろから連結したわけだ。 そして、平らな地面を見ながら走ることができた。
2011/04/16-11:24 再び列車に連結して、平らな地面を走る時々磯の香りがするような感じになって、利根川の左岸の土手道を河口に向かって走行していると、路面の補修の痕が目立つようになり、ところどころ割れ目も見えた。 そう、東日本大震災の影響だ。 畑には砂が噴出した跡があり、土手の一部は草の間から割れ目の土が見えていた。 場所によっては屋根にブルーシートがかかって、地震から五週間しか経っていないことを見せていた。
2011/04/16-11:37 地割れと液状化現象の写真 (クリックで写真拡大)ガンバって、食らいついたこの列車なんだが、追い風を受けてハイパークルーズっつうか、とにかく高速巡航した。 下の証拠写真を見てくれ。 黄色のパワータップのロガーの数字だが、上段 170W 発生中、中段 43.4km/h で走行中、下段は心拍 154bpm を記録している。 黒い CATEYE のメータは、ペダルが 90.9rpm で回されていて、出発から 100.01km 走行済みということがわかる。 すなわちスタートからの 100km を 3 時間 37 分( PC1 での停止を入れて平均速度約 28km/h だ!)で走ったともいえる。 当方の自転車のギア比から 43.4km/h を 90.9rpm でということは、前 48T ×後 13T で、後ギアは 12T を残すのみということで高速側も十分に使ったことがわかった。 いつもは下りでしかこんな速度域に入らないから平地ブルベでは不要かなとちょっと思っていた。
2011/04/16-11:37 ハイパークルーズの証拠そんなこんなで橋を渡って PC2 に到着したら、オダックス埼玉の方が出迎えてくれた。 ここでもパンをひとつと水分だけを補給したが、思い返すとコレは失敗だったように思う。
2011/04/16-12:40 PC2 到着PC2 では入り口のところが割れていて地震の影響を垣間見た。
折り返しの PC3 に向けて走り始めるとすぐにこの平地ブルベの中で数少ない急上り区間に入る。 が、短いのでまさにあっという間だ。 風除け列車の出現を待って走っていたが、来なかったんだな。 当方は、それほど早いわけではないのでわざとゆっくり漕ぐわけでなく普通にこいでいれば誰か来るだろうと思っていたのだ。
2011/04/16-12:49 上り坂の写真PC2 を後にして、まだ来ないなーと思いながら走っていて向かい風が強くなってきた。 当方よりも強い脚を持っている方が現れてくれればとずっと願っていた。 ここの区間で「こんなこともあろうか」と実験走行で練習したタックポジションを参考にしたハンドルに肘をつくポジションを実行してみた。 あの向かい風の中を目測で、125W 前後で 25km/h 前後をキープできるなら御の字だ。 なお、ブラケットに手を置くポジションだと出力を上げても 20km/h を切ってしまうような向かい風だったので、成功だったと思う。
2011/04/16-14:08 チューリップの季節だったんだなPC3 で折り返すのだから、帰りは追い風だとココロを納得させてひたすら後続の出現を待ちつつ漕いだ。 猫じゃらしが進行方向と反対にたなびいているよ。 …しかし、後続は現れず、 PC3 に着いちゃったんだな。 しかも!先行者とはすれ違わなかった。 ということは一番先頭?マヂ、それヤバい!と脳内混乱状態に陥った。 貧脚の当方がこんな位置にいるってことは明らかにオーバーペースだ。 とりあえず、 PC3 をさっさと出てゆっくり走行して後続を待つことにしようと考えた。
2011/04/16-15:50 PC3 に着いちゃったPC3 を出ようとしているときに後続の人がきた。 「待っていたのに〜」と泣き言を言ったのだが、先方の都合もあるので仕方ない。 食欲がなくなっていてね、水だけを補給して、アンパンを買って背中のポケットに仕込んだ。
さて、追い風に乗ってガンガン走ってラクするぜーと思った。 が、そうは問屋がおろさねーってか? 追い風だったのは最初の数 km くらいで、風が凪いだ。 そして…向かい風(泣)… …さっきの猫じゃらしは反対になびいていて、やっぱり向かい風だよ… …もっと早く折り返していれば…(そんな脚はオレにはない)… …もっと遅く風向きが変わってくれれば…(自然現象にそんなことを望んでも意味がない)… もうね、ガックリでんがな、肘つきポジションを時々とりつつ、後続に手を振って応援した。 実は、オイラはヘロヘロで泣きそうだったんだよ。 みんな笑顔だったり、声だしていたりと元気だったなぁ。
2011/04/16-17:47 ほぼ満月が空に見える逆風の中を 50km ほど走って、ココロが折れてヨタヨタと走っていると、最後のブルベライダーとすれ違った。 計算上、彼は当方の 100km ほど後ろを走っていることになる。 ということは、今の当方のいるあたりに来るのは 5 時間後かーとか考えた。 彼のほうが 5 時間多く自転車に乗って楽しめるともいう。 …が、当方の場合は苦しいほうが多いから、五時間早く開放されるとも解釈できる (^^;
最後のすれ違いブルベライダーを見てすぐに後続の列車がやってきた。 「もっと早くきてくれればー」とか思ったが、声に出せず。 しかもココロも折れているし、脚も売り切れていたので 5km ほどは付いて行けたが、千切れちゃった。 寒いし、おなかもすいていて、ハンガーノック(いわゆるエネルギー切れ)っぽくもなっていた。 そこで、食欲を上げるためにクラムチャウダーを食べてみた。 なんかキモチ悪いわけよ、おなかすいているのに、食欲がないという。 服装はかなり寒い気温の中を走ったことのある状態なのだから、身体の中で熱を発生すれば寒くないハズなのだ。 まぁ、ロガーをみると 100W どころか 50W 〜 70W 前後で走っているのだから寒いわけだよ。 計算上体内で発生する熱は 150W 〜 200W くらいだから、放熱には追いついてなかったのだろう。
2011/04/16-19:17 PC4 到着、すでに先頭の方は出た後っぽいPC4 からゴールまでは約 130km だ。 暖かいところで 5 時間くらい休んでから出ても間に合いそうという初めての経験だ。 ゆっくり 10 時間でも間に合うなとも思った。 クラムチャウダーのおかげで背中のアンパンを食べる気になったので、食べてみた。 だいたい 30 分くらいでハンガーノックから脱して、脚が回り始めると期待して 20km/h くらいで巡航した。 往路では順風の下 40km/h を超える速度で走った道、帰りは逆風じゃないかと肝を冷やしていたが、風向きが変わったおかげで順風とはいかなかったが、強い逆風でもないやや凪いだ状態の中を走った。
2011/04/16-21:21 地震の影響で通行止めとなった橋途中、何人かのブルベライダーに抜かれた。 その速度差はついていこうという気にもなれないくらい大きかった。 ハンガーノック脱出までと思ったが、一向にその気配はなく、すきっ腹を抱えて寒いなーと思いながら走った。 見上げると満月の脇に飛行機がコントレールを引いていた。
2011/04/16-23:32 満月と飛行機雲途中、当方と比較的速度差の小さい二人連れに抜かれた。 多分後ろの方は女性だったろうと思う。 女性の先頭だったかも。 一人だとどうしても速度低下傾向にある当方の脚はちょっと回復していたかもしらん。 いったんはだいぶ離れた尾灯を目標に少し力を込めて回し始めた。 PC5 まであと 30km という曲がり角はブリーフィングでも「間違える可能性が高い」と聞いていたところで、その二人連れが曲がった角に当方も突入したが一本前だったようだ。 でも 100m も行かずにミスコースだとわかったので、いつもは大きい精神的ダメージもほとんどなかった。 ソコからしばらく一緒に走らせてもらったが、やっぱり本格的回復はしていなかったようで、ほどなくちぎれた。 遠くに見えていた尾灯も取手市街に入る前にアップダウンが始まって、見えなくなった。 およそ 4 時間半をかけて 80km ほど走り PC5 にたどり着いた。
2011/04/16-23:38 PC5PC5 に着いたら、ダシのもので炭水化物…ウドンを食べたいな、そうすると「赤いきつね」だな、あとは固形物を食べたいと考えながら走っていたので、到着したらわき目も振らず「赤いきつね」とブリトーを購入し、食べた。 相変わらず、食欲がイマイチだったがブリトーもおいしく食べられた。 ウドンとアゲを食べ切って、汁を飲んだが、珍しく飲み干せなかった。 塩分補給にもなるだろうし、身体も温まると思ったのだけど…。
さて、何のカンのいってもあと 50km ほどだ、午前 3 時までに到着できれば、スタートから 19 時間でゴールという記録になるぞ。 食べたからといってすぐにハンガーノックから脱出できるハズもなく、やはりこれまでと同じようなペースで漕ぎ始めた。 それでも 30 分経過するころ、そう 10km ほど走ると、なんとなく脚が回るようになってきた。 利根川の土手道で、例のインチキ空気抵抗低減ポジションをしたころには 30km/h で巡航できちゃったりして少し元気がでた。
2011/04/17-00:46 配光パターン利根川の土手道で、配光パターンの撮影をすることを思い立った。 山道などの下るときにはもう少し上向きだが概ねこんな感じだ。 130 ルーメンのライトで周辺を照らし、中央の明るいところは 180 ルーメンのライトだ。 こうすることで、標識も見やすく、進行方向の路面も、何かが立っていたりしても見やすいわけだ。 普段は 130 ルーメンのライト一本で十分だが、街灯がないところでは 180 ルーメンのライトで強力に照らす。 だいたい 30m 先くらいにライトの中心がある。 いつもの山を含むブルベだと光軸をもう少し上向きにして、ほぼ水平に照らすようにする。 まぁ、こんなんだから真っ暗な道でも 50km/h を超える速度で下ることができるわけだ。
利根川の土手道を降りて、緩い上りを上ってるときに、後続に抜かれたが、立ち漕ぎでグイグイと行ってしまった。 というか「 380km 走ってあの元気か〜」という驚きだ。 うらやましいとか思いつく前に見えなくなった (笑) ま、そんなこんなで遅いながらも PC5 までよりは当方も元気がでて、速度が上がった。 午前 3 時までに着けばとかおもったが、なんと午前 2 時過ぎに到着とあいなった。
予想外に早くゴールできたので、スタッフにスープを勧めてもらったが、断って「ソッコー帰って、寝ます」と言った。 眠くなる前に帰宅できれば翌日は回復に当てられる。 ということで、さっさと自動車に自転車を積んで神根公園駐車場を後にした。
ブルベスタートからフィニッシュまでの走行記録は以下の通り。
項目 | 内容 | 備考・他 |
---|---|---|
走行 | 396.20km | 今回はほぼミスコースなしだった、空気圧を規定 95psi に対し 100psi 入れたせいでタイヤ周長が 1% ほど長かったか |
実走行時間 | 6.34.07 | 休憩や信号などで停止中は含まず、どうやら 16 時間半で走りきったようで走行時平均時速は 24km/h に達する |
平均走行速度 | 23.9km/h | さすが平地ブルベというか、分母が 396km なので小さくなった |
期間中最高速度 | 51.0km/h | 追い風爆走中かな? |
眠くなるのがイヤだったので、寒いけど、ヒーターもつけずに窓全開で走った。 しかーし、やっぱり眠くなった。 休憩を何度かして 2 時半に出て、 50km 先の自宅へは二時間近くかかって帰宅した。 走行中に目を覚まさせようと顔をこすったら塩でジャリジャリだった。 どおりで頬を伝ってきた汗が口に入ったときにしょっぱかったわけだ。
帰宅して、風呂を追い炊きしつつ、水だけ飲んでシャワーを浴びた。 風呂桶に入ると眠気がどーんと来た。 しかし身体を動かす気合がでなくてウツラウツラと。 顔が水面についてむせたところで、「このままじゃ死ぬ」と一念発起して風呂からでて下着を着けて、 5 時ごろにベッドに転がり込んで寝た。
9 時くらいに起きだしてご飯を食べた。 モモに違和感があり、ヒザのお皿の下がちょっと痛いくらい。
今回の実験予定のひとつに積極的疲労回復があった。 4/10 に脚が「攣る峠」に連れて行ってもらって 120km ほど走ったわけだ。 翌日に「いつもの負荷で一時間ほど自転車漕いだ」ら、脚の特にフトモモの違和感が取れた。
疲労の度合いが小さいときには、筋肉を動かして血行を良くすることで疲労物質を流すとか…本当なのか? と疑問に思っていたのでやったことなかったのだけど、鶴峠行ったあとのこの試行は効いたので今回も試してみようと思った次第。
今回は 4/17 の 02:20 ごろ漕ぐのが修了したので、 15 時間後とちょっと早い気がするが、積極的疲労回復ということで漕いでみた。
漕ぎ始めは、とっても脚が回らんっ!ということで、ギア二枚ほど軽くした。 早いと 3 分くらいで 90rpm くらいまで上げられるのだけど、脚の疲労感が強く 10 分くらいで 80rpm くらいまでしか上がらなかった。 しかし開始 15 分くらいで少し脚が回り始めたのでギアを一枚重くし、 5 分経過して 85rpm くらいまで上がったので、さらに一枚ギアを重くしていつもの負荷にした。 開始から 25 分過ぎにはいつもの負荷で 90rpm くらい回るようになったので、 5 分ほど定常回転として開始 30 分後にクールダウンに入った。 っつっても 5 分しかクールダウンしないけどさ。 80rpm で 2 分、 70 rpm で 2 分、あとはなんとなくだらだら〜って感じで回転を落としていって 37 分で終わり。
ヒザのお皿のちょっと下辺りの小さい痛みは残っていたけど、軽減した。 特に大きかった太ももの違和感は、いつもの疲労感になった。 おかげで漕いだあとにいつもシャワー入るのだけど、シャワーでたらほぼ疲労感がなくなった。
さらに積極的疲労回復をもくろみ、チャリを漕いだ。 いつもよりは脚の回りはやや遅いが、いつもの負荷で 45 分とまぁまぁな状態にまで回復した。 シャワーを浴びて、違和感がどこにもないことを確認してほぼダメージが抜けたかなと。 今回は直後からダメージが軽かったことも幸いしたようだ。
当方の場合、進行速度が計算できないので、休養のとり方がまだわからない。 今回はダメージが少ないのに異様に早く進んだ。 やっぱり平地だからだろうか?
パワータップのおかげというのは大きいとは思う。 向かい風の中を闇雲に突き進むのではなく、自分で規定した 150W 未満を継続するということで、後でハンガーノックになっても回復を待ちながらボチボチな速度で進行できたともいえる。 これが早くゴールできた最大の理由だろう。
十一回目のブルベだ。 失敗したと思うことを書いてみたい。 詳細は箇条書きの下に記述。
今回予想では消費エネルギーは平地ブルベということで、なんとなくな 6000kcal が最小で、ありそうな値としてはアタック宇都宮の 1.3 倍で 7000kcal 程度と考えた。 朝に、ぺヤングソース焼きそばで 1100kcal 摂るわけで、あとは 2000kcal から 3000kcal くらい摂ればいいかと考えていた。
実績としてはパワータップのロガーによれば 6600kcal 程度を消費したもようだ。 予想は悪くなかったといえる。
ところが、当方が補給できたのは、前半にアンパンだと食欲が湧かないせいか 1500kcal 程度と非常によろしくない。 クラムチャウダーと、赤いきつね、ブリトーあたりを食べて合計 1000kcal 程度を後半に補給してやっとマシになったともいえる。 補給は、早めに高エネルギーモノを摂ったほうがよさそうだ。
正確には休憩が少なかったことが疲労などの問題になったわけではない。 食欲がわかなくてあまり食べられなかったので、もっと休憩したほうがよかったのではないかと考える。 経験上 400km 走れば、少なくとも停止時間は 4 時間はありそうだが、今回は 2 時間もない。 あるいみ F1 ピット型の最小停止時間を実現できたとも言えるが、その分補給がうまくいかなくてよろしくないことになったともいえる。
次は 600km なので補給はガッツリしてみようと思う。
成功したと思うことを挙げてみよう。
アタック宇都宮では 175W 上限で走ってみたが、ちょっとオーバーペースだったようなので、そのときの反省から 150W 上限で走ってみた。 その結果、 F1 ピット作戦とあわせて 130km 過ぎから 250km あたりまでは先頭を走れるくらいだった。 しかし、走行後のダメージは非常に小さかったといえる。
スタートから 130km ほどは列車の中にいたが、残りの 270km のほとんどは一人で走っていた。 こういう状態の時には、今後も 150W 上限を目処に走ってみようと思う。
また、時々練習していたインチキ空気抵抗低減ポジションも有効であることがわかった。 交通量の少ないところでは今後も使ってみようと思う。 もっとも単独走行でしか使えないというデメリットもあるので、列車に乗りたい当方としては痛し痒しというところか。
前の夜に睡眠が取れないことは、ブルベでは致命的になりやすそうだ。 前回のブルベのアタック宇都宮で思いついた「酒を睡眠導入に使う」という手は成功だったと思う。 あとは日常的に依存しないようにブルベ前にちょっとだけ飲むということにしよう。
今回はフラットブルベということで本当に平地だと、出力計の助けを借りて、かなりラクに走れたと思う。 しかも明確なミスコースは 100m 程度と精神的ダメージも少なかった。 さらには、最初のハイパークルーズは、列車上なら当方でもついていけることがあるという自信にもなった。
写真でも見られた地割れや液状化、さらには当方には認識できなかった建物の被害などもあろう。 そういったところでも自転車が走れることは非常に幸せなことだ。 自転車は脚が回ればガソリンがなくとも、コレだけ走れる。 人類が生み出した最高の高効率移動機械ともいえるだろう。 願わくば、化石燃料への依存をちょっと減らして、人力での移動手段として、日本国内の主流のひとつになったらいいな、そんなことを感じたブルベだった。
長丁場のブルベを支えてくれているスタッフ、各列車の方々に感謝の念をささげる。
思いつくところを追加してみたいと思う。 意見・感想も歓迎だ。
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